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つまみ

つまみ

握りの前に出る、酒の肴。刺身や焼物で一杯飲んでから握りへ。ただ、寿司屋で酒が飲めるようになったのは戦後のことです。

つまみは、つまんで食べられる手軽な酒の肴。寿司屋では、その日の旬のタネをまず「つまみ」で出し、そのあとに「握り」という順に組み立てる店があります。

昔の屋台には、そもそも酒がありませんでした。職人は一人で何もかもこなすので、酒まで手が回らない。客のほうも、屋台で酒を飲もうとは考えず、寿司を食べに来ていた。お茶の湯呑みが大きいのも、何度も入れ替えずに済むよう屋台で始まった心づかいです。

「酒の飲める寿司ができたのは戦後である」。北大路魯山人の見立てです。戦前は、茶で寿司を食べた。立ち食いだった店に椅子が置かれ、椅子があれば酒が欲しくなる。終戦直後は料理屋が不自由で高くついたので、寿司で酒を飲み、ついでに飯も食べられることを酒飲みたちが見つけた、というのです。

客が飲むようになると、握りも変わりました。上等の店ほど腹の張らない小ぶりの寿司を握り、飲ませる方向へ腕を磨いていった。寿司屋は、一人前の料理屋になったわけです。

いまの老舗には、つまみを正面から組み込んだ献立もあります。銀座久兵衛の「鮨懐石」は、突出2品、刺身、焼物と進んでから握り10貫、巻物、椀、水菓子。握りだけのコースと並べて置かれています。

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