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品書き / 寿司ことば / あがり

あがり

あがり

寿司屋で出るお茶のこと。いれたての茶を呼ぶ「上がり花」を縮めた言葉で、出どころは花柳界。寿司屋の湯のみがやけに大きいのにも、ちゃんと理由があります。

アガリは「上がり花」の略。いれたばかりのお茶を上がり花と呼び、それが縮まってアガリになりました。

もとは花柳界の言葉です。暇なことを「お茶をひく」と言いました。茶葉を臼でひいて粉にすることで、芸者や遊女にとっては口にしたくない忌み言葉。そこで縁起を担いで、「客が上がる」の「上がり」をお茶の呼び名にした。遊郭や料理屋で使われていた言い方が、寿司屋に残ったわけです。

本来は、食事の最後に出すお茶のこと。すごろくのゴールを「あがり」と言うのと同じで、「最後のもの」という意味がこもっています。

ところが寿司屋では、席に着いたとたんにお茶が出てきます。口に残った魚の味をお茶で洗い、次の握りをまっさらな舌で味わうため。寿司は塩気が多くて喉が渇くので、その渇きを癒す役目もあります。

寿司屋の湯のみが大きい理由は二つ。ひとつは、熱いお茶をたっぷり注げるから。もうひとつは屋台の名残りです。職人ひとりで何もかもこなす屋台で、何度もお茶を入れ替えずに済むよう始まったサービスが、いまの寿司屋に受け継がれました。

その屋台では、酒を売っていませんでした。職人ひとりでは酒まで手が回らないし、客のほうも屋台で飲もうとは考えない。あくまで寿司を食べに寄る場所だったのです。料理屋風の店は、また別の話。

『江戸前の旬』では

7巻の台詞に、お茶は「ガリと同じ脇役でありながら」ガリほど重んじられていない、というくだりがあります。80巻の第3話は、題が「お茶」。見た目も涼しい「夏のお茶」が出てきます。

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