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ガリ

がり

寿司屋で添えられる、新生姜の甘酢漬け。わさびが生臭さを一瞬ごまかすのに対して、ガリは生臭さそのものを消してしまう。握りと握りのあいだの口直しを引き受ける、頼もしい脇役です。

名前の由来は二つ。噛むとガリガリするから。あるいは、生姜を削るときにガリガリと音がするから。どちらも音から付いた名です。

中身は新生姜の甘酢漬け。薄切りにして軽くゆで、甘酢に漬けます。カタカナで「ガリ」と書くことも多い。

わさびとガリは、どちらも魚の生臭さを相手にしますが、働き方がまるで違います。わさびはツンとくる辛みで味覚と嗅覚を一瞬だけ麻痺させる。臭みそのものは消えません。ガリのほうは、生姜の辛み成分ジンゲロンやショーガオールが生臭さの成分と結びついて、臭いを消してしまう。次の握りに移る前にひとつまみすると口の中がさっぱりするのは、このためです。おまけに生姜には、細菌が増えるのを抑える働きもあります。

寿司屋のカウンターの脇役は、どれも符丁で呼ばれます。生姜はガリ、お茶はアガリ、わさびはナミダ。ナミダは、効きすぎると涙が出るから。

握りなら、ひっくり返してタネのほうに醤油をつければシャリは崩れません。ところが軍艦巻きはそうはいかない。そこでガリの出番です。刷毛の代わりにして、上から醤油を塗ればいい。

マグロの世界では、「がり」はまったく別の意味になります。産卵を終えたマグロのこと。身が柔らかく、味も落ちる。「らっきょ」とも呼ばれます。

家で作るなら、新生姜の薄皮をスプーンでこそげて薄切りにし、沸いた湯で5分ほどゆでる。水にさらしてアクを抜き、水気をしぼって甘酢に漬けます。甘酢は水200cc、酢100cc、砂糖50g、塩10gの割合がひとつの目安。繊維に沿って切るか、繊維を断つように切るかで、歯ざわりが変わります。

このことばが出てくるタネ

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