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一口で食べる

ひとくちでたべる

握りは切らずに、一口で。いまの握りはそれができる大きさですが、江戸の握りは今の2〜3倍、ひと口半かふた口がやっとでした。小さくなったのは戦後のことです。

出された握りは、二つに切らずに一口で。握りたてがいちばんおいしいから、溜めずに早めに口へ運びます。

口に入れるときは、シャリが先に舌に触れる向きで。含んだ瞬間にシャリがふわっとほぐれて広がる。職人の握りの加減を、舌でじかに味わえるところです。

一口では大きすぎるなら、頼めばいい。「シャリは小さめに」と伝えれば少なめのシャリで握ってくれるし、半分に包丁を入れてもらうこともできる。握りの大きさは、自由に注文してよいものです。

もっとも、江戸の握り寿司は一口ではとても無理でした。大きさは今の2倍から3倍。1貫ずつ出していたのも、2貫ずつになったのが戦後なのも、この大きさのせいです。

今の大きさにつながるのが、戦後の「委託加工」です。客が持ってきた米1合を、握り10個に加工する。この取り決めが寿司1人前の基準になり、それまで一口半ほどあった握りが、いまの小ぶりな形に落ち着いていきました。

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