奈良県
周りを山に囲まれた内陸の県。海の魚は、熊野から塩サバになって運ばれてきました。五條は柿の作付面積が日本一、吉野川ではアユ。柿の葉寿司とアユの姿寿司の土地です。
柿の作付面積、日本一
「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」と詠まれたとおり、柿づくりの盛んな土地です。とくに五條市は、市町村別の柿の作付面積で日本一(2015年農林業センサス)。昼と夜の寒暖差と、水はけのいい斜面が柿を育てます。御所市の「御所柿」は、いまの甘柿の品種のルーツといわれる柿です。柿の葉寿司
吉野川のアユ
県の南部、五條吉野・十津川は山の深い土地。林業が盛んな一方で水田が少なく、昔は木の実や雑穀、塩漬けの山菜を蓄えて暮らしてきました。吉野川ではアユやアマゴがとれ、アユの姿寿司が名物です。鮎
醤と清酒のふるさと
醤油と味噌のルーツ、大豆や穀類を塩に漬けた「醤(ひしお)」が、奈良では古くから造られてきました。清酒発祥の地ともいわれ、室町時代には正暦寺で、日本酒づくりの基本になった「菩提酛(ぼだいもと)」が生まれています。
奈良県での呼び名
| 呼び名 | 一般には | 出典での土地の書き方 |
|---|---|---|
| クマノサバ(熊野鯖)/ニシサバ(西鯖) | マサバ(真鯖)紀伊長島から来る塩鯖を熊野鯖、若狭から来るものを西鯖と呼んだ | 奈良県大宇陀・吉野 |
奈良県の食べ方・名産
- 柿の葉寿司奈良・和歌山同じ柿の葉寿司でも、奈良と和歌山では葉の色が違います。奈良の五條・吉野では、田植えが終わってひと息つく夏祭りのごちそうで、包むのは緑の鮮やかな渋柿の葉。紀の川流域、和歌山の伊都地方では秋祭りのごちそうで、きれいに紅葉した渋柿の葉で包む。季節が違えば、葉の色も違う。
- 柿の葉寿司奈良始まりとして語られるのは、江戸時代の中ごろの話です。高い年貢に苦しんだ紀州の漁師が、金をこしらえるために熊野灘の夏サバを塩で締め、峠を越えて吉野川沿いの村へ売りに行った。ちょうど村々は夏祭りのころで、そのサバが祭りのごちそうになった。保存食や兵の食糧が形を変えたもの、という見方もあります。
- 柿の葉寿司奈良・和歌山運ばれてきた塩サバの話を、もう少し。熊野灘で浜塩をしたサバは、背負い籠に詰められて峠を越え、伯母峰峠の先の川上村まで二日ほどかけて届いた。浜塩は魚の腹に大量の塩を詰めて傷むのを遅らせる保存法で、着くころにはちょうどいい塩加減になっていたのです。はじめの柿の葉寿司は酢を使わず、発酵で酸味を出す生なれずし。塩サバを薄くそいでご飯を抱かせ、渋柿の葉で包んで、ひと月ほど寝かせました。いつからシャリに酢を合わせるようになったのかは、はっきりしていません。
- 柿の葉寿司奈良奈良の川上村の柿の葉寿司は、酢を使わず、昔ながらの塩締めのサバで作るものが中心です。始まりのころの姿に近い。
- 柿の葉寿司奈良奈良では、柿の葉の代わりに山に自生する朴の葉で包んだ「朴の葉寿司」も作ります。時期は端午の節句のころから7月にかけて。作り方は柿の葉寿司と同じで、朴の葉の香りがシャリに移ります。
- 柿の葉寿司奈良家の料理を名物にしたのは、吉野の商家です。「平宗」は文久元年(1861年)、吉野の上市村で、すし・川魚・乾物の店として創業。明治35年に料理旅館を始め、吉野の家々が夏祭りに作っていた柿の葉ずしを遠来の客に出すようになりました。昭和37年、大阪の天王寺ステーションビルの開店に合わせて出店し、大阪で初めて柿の葉ずしを売る。これが全国に広まるきっかけになりました。
- 柿の葉寿司奈良奈良ではJRと近鉄の主な駅で売られ、近鉄特急の車内販売にも並びました。県内のいたるところに柿の葉寿司の店があり、土産にも贈り物にも家の食卓にも上がる。全国の百貨店の催しや駅弁でも売られています。
- 柿の葉寿司奈良奈良の家の作り方。米2合、塩サバの切り身150gほど、柿の葉20枚。合わせ酢は酢40ml、砂糖25g、塩4g。米は昆布と酒を少し入れて炊くとおいしい。柿の葉は表も裏もきれいに洗って水気をふく。塩サバは細かい骨まで全部抜き、1時間ほど酢で締めて薄皮をむき、3〜4mmにそぎ切りに。冷ましたシャリを俵形に握り、葉の上にサバ、その上にシャリをのせて、キャラメルを包む要領で包む。寿司箱にきっちり詰めて重石をし、ひと晩おけばできあがりです。
- めはり寿司奈良奈良の下北山村には、高菜ではなく「下北春まな」の漬物で包む「まなめはり」があります。下北春まなは大和の伝統野菜で、作っているのは下北山村だけ。寒さの厳しい土地で育つので葉が肉厚で甘く、収穫できるのは2か月だけという、幻の野菜です。高菜の辛みがなく、形もやや小ぶり。同じ奈良でも、十津川のほうでは高菜のめはり寿司を食べます。
このページの出典(8件)
- 関西地方 奈良県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-30 閲覧
- マサバ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- 柿の葉寿司 奈良県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-29 閲覧
- 柿の葉寿司 和歌山県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-29 閲覧
- 奈良・吉野の名物、柿の葉寿司|柿の葉寿司のゐざさ中谷本舗(ゐざさ中谷本舗)2026-10-09 閲覧
- 柿の葉寿司|Wikipedia(Wikipedia)2026-09-29 閲覧
- 平宗の歴史|柿の葉ずし 平宗(平宗)2026-09-29 閲覧
- まなめはり 奈良県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-29 閲覧