寿司のデータベース

品書き / 光り物

サバ鯖

さば/Mackerel

寿司のサバといえば、たっぷりの塩と酢で締めた「しめさば」。関西ではこれを「きずし」と呼びます。かつては安くてうまい大衆魚の代名詞でした。ところが資源の低迷と流通の発達で、関さば・金華さば・松輪さばと、高値のブランドサバが各地に生まれています。

マサバ(図)
マサバ(図)写真: Unknown author(Public domain)
しめさばの握り(立喰 さくら寿司 池袋)
しめさばの握り(立喰 さくら寿司 池袋)写真: RuinDig/Yuki Uchida(CC BY 4.0)

旬

マサバ(真鯖)
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12
ゴマサバ(胡麻鯖)
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12

マサバの太平洋側の旬。寒さが増すほど脂がのって、「寒さば」になります。

旬 出回る時期

種類

マサバ(真鯖)

別名 ヒラサバ、ホンサバ

市場では、ゴマサバと区別して「ヒラサバ」「ホンサバ」と呼びます。脂がのるのは、太平洋側なら秋から、日本海側なら3〜4月。

太平洋側は8月中旬から早春・春まで。いちばん安定するのは10月以降。日本海側は3〜4月、ときに5月です。

ゴマサバ(胡麻鯖)

別名 マルサバ

全身にゴマを散らしたような模様があるから「ゴマサバ」。もとは和歌山県での呼び名です。そばのかけつゆなどに使う、さば節の原料でもある。近年は鮮度を上げる工夫が進み、高知県の「土佐の清水さば」や鹿児島県の「屋久さば」といったブランドも登場。

一年中出回るうえ、脂ののる時期は地域でばらばら。旬の見極めが難しい魚です。三陸などでは、10月の個体に脂があります。

若狭から京へ、二十五里

鯖街道の起点(福井県小浜市いづみ町)
鯖街道の起点(福井県小浜市いづみ町)写真: TR15336300101(CC BY-SA 4.0)
福井若狭小浜から熊川宿、朽木を通って京都の出町柳まで、二十五里。若狭の一塩のサバを天秤で担いで運んだ道なので、「鯖街道」と呼ばれました。
鯖のへしこ(切り身)
鯖のへしこ(切り身)写真: Bakkai(CC BY-SA 3.0)
福井石川県、福井県の若狭・越前、滋賀県朽木、京都府の日本海側などでは、サバを糠漬けにした「へしこ」(こんかさば)を作ります。
福井福井県の越前大野・勝山あたりでは、半夏生(夏至から11日目)に「焼きさば」を食べます。サバを丸ごと串に刺して焼いたものです。
関西関西では、しめさばを「きずし」と呼びます。
きずしの「き」は「生」。塩と酢でさっと締める寿司を「生の寿司」と呼ぶのは、何か月もかけて発酵させる「熟れ(なれ)ずし」があってこその言い方です。昔から京へサバを送ってきた福井県南部では、いまもサバのなれずしが家々で漬けられています。

客に出せない尾で巻く、さば巻

人形町「㐂寿司」には、常連向けの「さば巻」があります。客には出せない尾に近い部分(身が薄く、酢が多く入る)を、ガリ・白ごま・わさびと一緒に海苔で巻いたもの。始まりは、先代が仕事終わりの酒の肴に作ったこと。
しめさば
しめさば写真: Kentin(CC BY-SA 4.0)
東京しめさばの仕込みの一例。三枚におろしたサバに、魚体が見えなくなるほどたっぷり塩をあて、約2時間(身の具合で1時間半)置きます。身が柔らかいので、塩は流水ではなく、ボウルにためた水で抜く。それから赤酢と白酢に醤油を加えた酢に、約1時間。昼に漬けたものを、夜から使います。
酢に漬けると、サバの表面は白くなります。漬け加減しだいで、中を生っぽく残した浅漬けにも、芯の色が変わるまでしっかり漬けたものにもなる。どちらに仕上げるかで、店の考えが分かれます。
サバをそぎ切りにせず、分厚く切りつけて「鞍掛け」で握る店もあります。シャリには生姜とあさつき。使うのは1kg程度の真さばで、大きすぎると握ったときにやぼったくなる。

秋より冬のほうが脂が多い

マサバの旬は秋、とよく言います。けれど脂の量は、秋より冬のほうが多い。ビタミンB2やビタミンE、EPAも、冬のマサバのほうが秋より多く含んでいます。大きなサバなら、マサバでもゴマサバでも冬にはたっぷり脂がのる。これが「寒サバ」です。
マサバ(真鯖)・大分「関さば」と呼べるのは、大分市佐賀関沖の速吸瀬戸で一本釣りされ、佐賀関に水揚げされたものだけ。関あじと一緒に2006年10月、地域団体商標に登録されました。出荷する魚には1匹ずつ、商標マーク入りのタグが付きます。
マサバ(真鯖)・宮城「金華さば」は、宮城県金華山沖で秋に取れ、石巻港に揚がったマサバ。「松輪さば」は、東京湾を回遊するマサバを初夏や秋に釣り上げたものです。
福岡福岡県の「ごまさば」は、ごま・醤油・砂糖・みりんなどのたれに、新鮮なサバの切り身を漬けたもの。福岡県北部では、「茶漬」と呼ぶことのほうが多い。

嫁に食わすな、数を読むな

「秋サバは嫁に食わすな」。秋のサバはうまいから、憎い嫁には食わせない、という意味です。ところが逆の読み方もあって、サバは当たりやすいから、大切な嫁に食わせるな、とも取れる。同じことわざで、嫁への気持ちが正反対になります。
「さばを読む」の語源は、サバを急いで数えるときに、数をごまかしたことから。
「鯖の生き腐れ」とは、生きがよく見えても傷んでいることがある、という意味です。青魚には、ヒスタミンのもとになるヒスチジンがたっぷり含まれているから。
江戸時代、大名家は将軍に、七夕の祝いとして「刺鯖」を献上しました。背開きにして塩干ししたサバです。長崎でも盆にさし鯖を贈る習慣があり、これをお中元の起源とする記録があります。
「さば」の語源は、ひとつに決まっていません。歯がとても細かいから「小歯(さば)」。体に斑紋のある魚を意味する「斑葉(いさば)」から。ほかにも候補がある。

台所でしめさば

家でしめさばを作るなら、手順はこうです。三枚におろしたサバを盆ざるに並べ、身が隠れるくらいたっぷり、両面に塩をふって約2時間。塩を酢で洗い落として水気をふき、純米酢をひたひたに注いで、上下を返しながら30〜40分漬けます。
もっと浅く締める手もあります。塩を振って1時間置き(出た水分が身にふれないよう、バットを傾けておく)、ため水でさっと洗って水気をふく。米酢に15分漬け、途中7分ほどで上下を返します。アニサキスが心配なので、酢から上げた半身はラップして24時間以上冷凍。冷蔵庫で解凍してから皮をはいで切る。
しめさばの酢や塩では、アニサキス幼虫は死にません。厚生労働省が挙げる予防策は、-20℃で24時間以上の冷凍か、70℃以上(60℃なら1分)の加熱です。

値段

回転寿司・街の寿司屋・高級店のおまかせを並べて比べる

回転寿司

  • はま寿司「しめさば」(地域限定)132円2026-09-25 時点
  • はま寿司「さばの押し寿司」176円2026-09-25 時点
  • くら寿司「大切りとろ〆さば(一貫)」(一皿110円からの店)120円2026-09-25 時点
  • スシロー「〆さば」1皿(巣本店、税込。店舗により価格が異なる)150円2026-09-29 時点

大衆店

  • 築地玉寿司 築地本店「さば」お好み1貫(税込)275円2026-09-29 時点
  • 築地すし鮮「〆さば」おこのみ1貫(税込)315円2026-09-29 時点
  • すしざんまい「〆さば」1個(グランドメニュー、税込)272円2026-09-29 時点
  • 梅丘寿司の美登利「大名さば」(税込。貫数の記載なし。一部店舗は価格が異なる場合あり)275円2026-09-29 時点
  • 梅丘寿司の美登利「鯖の棒ずし」(税込。貫数の記載なし。一部店舗は価格が異なる場合あり)1,540円2026-09-29 時点
  • 芦屋 波沙鮓「サバ」にぎり1貫(税込。本体価格600円)660円2026-09-30 時点
  • 富山 蛇の目寿司「さば」にぎり1個(税込。その日の仕入れや季節で変わる)275円2026-09-30 時点

高級店

  • 銀座久兵衛 銀座本店・新館のお土産「鯖ばってら」(税込・税抜の記載なし)4,320円2026-09-29 時点

市場

  • マサバの市場価格の幅1kgあたり600円ほどから、高いと8000円くらいまで(ブランドサバ・養殖・巻き網などで幅がある。時期の記載なし)

『江戸前の旬』では

第36話は「しめサバ」と題した回です。

42巻では、父にサバの活け締めを教わるのを、そんな残酷なことはできないと嫌って飛び出した少年が、鱒之介に野締めと活け締めの味の違いを尋ねます。79巻は春から初夏のタネとしてサバを、121巻は夏から秋のタネとしてゴマサバを握ります。

80巻には「ゴマサバ」、92巻には「高菜漬けと寒サバ」と題した話があります。

土地の呼び名

呼び名土地種類・メモ
ヒラサバ(平さば)/ホンサバ(本サバ)東京の市場など日本各地マサバ(真鯖)。ゴマサバと区別して
メサバ福井県南越前町・小浜、京都府伊根町マサバ(真鯖)。小型
ピンサバ福井県小浜・美浜マサバ(真鯖)。小型
モウジン/モウゼン福井県福井市越廼マサバ(真鯖)。大型
タツクリ(田作)鹿児島県種子島マサバ(真鯖)。幼魚
サバコ(鯖子)徳島県海陽町宍喰マサバ(真鯖)。幼魚
クマノサバ(熊野鯖)/ニシサバ(西鯖)奈良県大宇陀・吉野マサバ(真鯖)。紀伊長島から来る塩鯖を熊野鯖、若狭から来るものを西鯖と呼んだ

次に読みたくなる

サバの寿司ばなし

サバとつながるタネ

このページの出典(26件)