ことわざ
秋刀魚が出ると按摩が引っ込む
さんまとあんま。語呂合わせのようでいて、江戸の秋の台所をそのまま言い当てたことわざです。ついでに、佐藤春夫が「苦いか塩つぱいか」と詠んだはらわたの話も。

さんまが出ると
「秋刀魚が出ると按摩が引っ込む」。さんまが出回る秋になると、みんな元気になって、按摩にかかる人がいなくなる。江戸の秋を言い表したことわざです。
秋刀魚の字のとおり、秋にどっさり獲れる魚。旬の秋には値が下がり、庶民の食卓にしょっちゅうのぼりました。栄養たっぷりの秋刀魚をたらふく食べれば、病人も減るというわけです。
引っ込むほうの按摩は、体をもみ、さすり、たたいて治す療法。奈良時代には外傷や骨折の手当てまで受け持っていましたが、そちらはのちに医師の仕事になり、もむ、さするだけが民間療法として残りました。いまの按摩は、江戸時代に体系化された術式の流れをくんでいます。
房総沖を下ってくる魚

苦いか塩つぱいか
大正10年(1921年)10月、佐藤春夫は「秋刀魚の歌」を書きました。「さんま、さんま、/さんま苦いか塩つぱいか。」
この「苦い」を、はらわたの味だと思っている人は多い。ところが、新しい秋刀魚のはらわたには甘みがあります。苦みが前に出てくるのは、鮮度が落ちてから。
はらわたまで食べられるのには、わけがある。秋刀魚には胃が無く、短くまっすぐな腸が肛門につながっています。食べたえさは30分ほどで出てしまうので、腹の中に残らないのです。
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このページの出典(4件)
- 和のおいしいことば玉手箱「秋刀魚が出ると按摩が引っ込む」(辻調おいしいネット(辻調グループ))2026-09-29 閲覧
- 我が一九二二年(佐藤春夫)より「秋刀魚の歌」|青空文庫(青空文庫)2026-09-29 閲覧
- サンマ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- サンマ(Wikipedia)2026-09-29 閲覧