寿司のデータベース

品書き / 郷土寿司

酒ずし

さけずし/Sakezushi (sake-soaked layered sushi of Kagoshima)

鹿児島の地酒「灰持酒」をまぶしたご飯に、海や山の幸を何段にも重ね、半日ほど寝かせて発酵させる寿司。かつては花見の席で食べる、春のごちそうでした。

酒ずし
酒ずし写真: Nissy-KITAQ(CC BY-SA 3.0)

殿様の花見の残りもの

鹿児島始まりには、こんな話が伝わっています。薩摩藩主の島津の殿様が、花見の宴のあとに残ったごちそうと酒を、まとめて桶に入れておいた。すると翌日には発酵して、よい香りを放つ料理になっていた。江戸時代からの歴史があるといわれる寿司です。
鹿児島欠かせないのが、地酒の「灰持酒(あくもちざけ)」。清酒を造る途中のもろみに灰汁を加えて搾った酒で、灰汁のおかげで日持ちがよくなることから、この名があります。暖かい鹿児島では、昔はふつうの清酒造りが向かず、代わりに灰持酒の造りが盛んになりました。火入れを一度もしない酒で、鹿児島ではみりんの代わりに使ったり、お屠蘇として飲んだりもします。

春のごちそう

鹿児島かつては、花見の席で食べる春のごちそうでした。タイやたけのこ、木の芽といった春の材料を、ひとつずつ丁寧に下ごしらえして、ぜいたくに使う。いまは手間がかかるのでふだんは作りませんが、祝いの席など、人が大勢集まるときに、季節の材料を組み合わせて作ります。
鹿児島干し大根、たけのこ、つけあげ(さつま揚げ)、タイ、エビなど、10種類ほどの具をそれぞれ下ごしらえします。灰持酒をまぶしたご飯の上に具を散らし、これを2〜3段重ねて、最後に残りの具を敷きつめる。軽く重しをのせて、半日ほど寝かせて発酵させます。層をなるべく崩さないように取り分け、好みで灰持酒をさらにかけて食べる。酒の量も具も、家や店、土地によって違います。

予約して食べる

鹿児島家で作ることは少なくなり、いまは郷土料理を出す店で食べられます。作るのに時間がかかるので、前もって予約が要る店が多い。料理教室で作り方を教えるなど、作って伝える取り組みも続いています。

『江戸前の旬』では

読者の感想に、12巻と68巻の酒寿司が挙がっています。

次に読みたくなる

出てきた土地

このページの出典(3件)