鹿児島県
南北600kmにわたる鹿児島は、太平洋と東シナ海に囲まれた海の県。養殖ブリの生産量は長島町が日本一で、甑島はキビナゴの一大産地です。地酒で漬ける酒ずしも、この土地の寿司です。
養殖ブリの県
大隅の海
甑島のキビナゴ
キビナゴは体長10cmほどのニシン科の魚。体に帯のような縞があり、鹿児島南部の言葉で帯を「きび」、小魚を「なご」と呼ぶのが名の起こりとされます。とくに知られた産地が、鹿児島本土の西の甑島(こしきしま)で、全国の水揚げの2割以上を占める。鮮度がすぐに落ちるので、とれた土地の外にはあまり出回りません。春先は子持ち、秋は脂がのって身が締まり、一年を通して揚がります。
新鮮なキビナゴが手に入る土地だけの味が「きびなごの刺身」。包丁を使わず、頭を折って腹から指で開き、背骨をはがす。開いた身を半分にたたんで並べ、菊の花の形に盛る「菊花造り」にして、酢味噌で食べます。スーパーでも酢味噌つきのものが売られています。
鹿児島県での呼び名
| 呼び名 | 一般には | 出典での土地の書き方 |
|---|---|---|
| マガツオ | カツオ | 兵庫県豊岡市竹野、熊本県熊本市、鹿児島県種子島 |
| ブエンカツオ(無塩鰹) | カツオ塩をしたカツオや乾物が基本だった時代に、生で食べられる新鮮なものをこう呼んだ | 鹿児島県枕崎 |
| ヨコワ | クロマグロ(本マグロ)若魚 | 鹿児島県種子島 |
| アカクズナ | アカアマダイ | 長崎県、京都府丹後、鹿児島県 |
| ワカナゴ→ヤズ→ハマチ→メジロ→ブリ→オオウオ | ブリ | 九州北部、鹿児島県種子島など |
| ヒラス | ヒラマサ | 大阪、京都府伊根町、高知県志和、長崎県、山口県下関、鹿児島県種子島 |
| テンコツ | ヒラマサ | 鹿児島 |
| ヒラソウジ | ヒラマサ | 鹿児島県奄美大島 |
| カタヒラウオ | ヒラメ | 鹿児島県種子島 |
| カナガシラ | ホウボウ標準和名カナガシラは別種 | 三重県鳥羽、島根県石見、山口県萩、長崎県、鹿児島県 |
| アカバラ | カンパチ鹿児島市から来る養殖ものをカンパチと呼んで区別することもある | 鹿児島県屋久島町 |
| トウキョウキンメ(東京金目) | キンメダイもとはナンヨウキンメが揚がっていた土地で、東京で売れるキンメダイの意味か | 鹿児島県鹿児島市 |
| アカムツ | ノドグロ標準和名 | 千葉県金谷、東京都、神奈川県、富山県魚津、三重県志摩市、鹿児島県種子島 |
| サゴシ | サゴシ(サゴチ)小型魚・若魚 | 和歌山県、島根県西部、徳島県阿南市、高知県宿毛市、鹿児島県種子島 |
| ウタゴ(唄魚) | シマアジ鳴く(唄う)からか | 鹿児島県松ヶ浦 |
| カツオアジ | シマアジ | 鹿児島県 |
| カワギス | キス | 鹿児島 |
| タツクリ(田作) | マサバ(真鯖)幼魚 | 鹿児島県種子島 |
| ナガイワシ | サヨリ | 鹿児島 |
| ミズイカ(水烏賊) | アオリイカ透明感のある色合いから。 | 島根県・福岡県・長崎県・宮崎県・鹿児島県 |
| アカイカ(赤いか) | ケンサキイカ | 関東の市場・愛知県・新潟県・三重県・和歌山県・長崎県・鹿児島県 |
| ナミゲ | ナミガイ(白ミル) | 鹿児島県大隅半島 |
鹿児島県の食べ方・名産
- ホウボウ鹿児島鹿児島県日置市などでは、みりん干しや開き干しに加工されます。白身で上品ななかに、意外なほど豊かなうま味。
- シマアジ鹿児島暖流を好む魚で、房総半島から南に多い。鹿児島は、北上する暖流が東西に分かれる分かれ目にあたり、天然シマアジの産地です。
- 酒ずし鹿児島始まりには、こんな話が伝わっています。薩摩藩主の島津の殿様が、花見の宴のあとに残ったごちそうと酒を、まとめて桶に入れておいた。すると翌日には発酵して、よい香りを放つ料理になっていた。江戸時代からの歴史があるといわれる寿司です。
- 酒ずし鹿児島欠かせないのが、地酒の「灰持酒(あくもちざけ)」。清酒を造る途中のもろみに灰汁を加えて搾った酒で、灰汁のおかげで日持ちがよくなることから、この名があります。暖かい鹿児島では、昔はふつうの清酒造りが向かず、代わりに灰持酒の造りが盛んになりました。火入れを一度もしない酒で、鹿児島ではみりんの代わりに使ったり、お屠蘇として飲んだりもします。
- 酒ずし鹿児島かつては、花見の席で食べる春のごちそうでした。タイやたけのこ、木の芽といった春の材料を、ひとつずつ丁寧に下ごしらえして、ぜいたくに使う。いまは手間がかかるのでふだんは作りませんが、祝いの席など、人が大勢集まるときに、季節の材料を組み合わせて作ります。
- 酒ずし鹿児島干し大根、たけのこ、つけあげ(さつま揚げ)、タイ、エビなど、10種類ほどの具をそれぞれ下ごしらえします。灰持酒をまぶしたご飯の上に具を散らし、これを2〜3段重ねて、最後に残りの具を敷きつめる。軽く重しをのせて、半日ほど寝かせて発酵させます。層をなるべく崩さないように取り分け、好みで灰持酒をさらにかけて食べる。酒の量も具も、家や店、土地によって違います。
- 酒ずし鹿児島家で作ることは少なくなり、いまは郷土料理を出す店で食べられます。作るのに時間がかかるので、前もって予約が要る店が多い。料理教室で作り方を教えるなど、作って伝える取り組みも続いています。
このページの出典(23件)
- 九州地方 鹿児島県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-30 閲覧
- きびなごの刺身 鹿児島県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-30 閲覧
- カツオ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- クロマグロ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- アカアマダイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ブリ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ヒラマサ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ヒラメ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ホウボウ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- カンパチ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- キンメダイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- アカムツ(ノドグロ)|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- サワラ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- シマアジ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- シマアジ - Wikipedia(Wikipedia)2026-09-25 閲覧
- シロギス|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マサバ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- サヨリ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- アオリイカ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ケンサキイカ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ナミガイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- 鹿児島、うんまかシマアジ|コラム|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- 酒ずし 鹿児島県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-30 閲覧