寿司のデータベース

品書き / 貝など

ホッキ貝北寄貝

ほっきがい/Sakhalin surf clam

標準和名はウバガイ。なのに流通の場では、ほぼホッキガイの名前しか聞きません。「ホッキ」はアイヌ語から来ていて、「北寄」は当て字です。生の足は淡い色なのに、湯通しすると先がぱっと紅色に染まる。古くは北海道などのローカルな寿司ダネでしたが、2000年前後には関東でもすっかり普通のタネになりました。

ウバガイ(ホッキガイ)
ウバガイ(ホッキガイ)写真: ja:user:たかはし(CC BY-SA 4.0)
ホッキ貝の握り
ホッキ貝の握り写真: Mikkabie(CC BY-SA 4.0)

旬

ホッキ貝
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12

旬は、はっきりしません。苫小牧では産卵期の5〜6月を禁漁にして、漁期を夏(7〜11月)と冬(12〜翌4月)に分けています。

旬 出回る時期

肉より安いから、カレーの具

ホッキカレー(苫小牧)
ホッキカレー(苫小牧)写真: bryan...(CC BY-SA 2.0)
北海道苫小牧の家庭では、昔から「ホッキカレー」やホッキ貝の炊き込みご飯が作られてきました。産地では肉よりホッキのほうが安く、それでカレーの具になったのです。
北海道ホッキ貝の漁獲量で、苫小牧市は2024年まで25年連続の市町村別日本一。2024年は755トンで、全国の約15%を占めています。
北海道苫小牧漁協は、殻長9cm以上の大型の貝しか水揚げしないと決めています。
北海道2002年7月20日(海の日)、苫小牧市はホッキ貝を「苫小牧市の貝」に制定しました。

湯通しで、先が紅く染まる

ホッキの足を開いて湯通しすると、先が紅色に染まって、甘みが増します。職人がゆで加減を見きわめるのも、この赤の発色です。
ホッキの足は、熱を通すと赤くなり、甘みが増して生臭みが減ります。生のうちは色が薄い。
軽く湯通しして握ることが多いホッキですが、貝の風味が強いからと、生で握る職人もいます。湯通しか生か。ここは好みで選んでいいところ。
産地で殻の顔つきがまるで違います。北海道の室蘭や苫小牧のものは殻が真っ黒で重く、福島のものは薄茶色で軽い。ゆでたときの紅色も、三陸・福島ものは淡い。この違いが、そのまま値段の差になります。
ホッキは大きすぎて、1個をそのまま1貫の握りにするのが、意外に難しい。
古くは北海道などのローカルな寿司ダネだったホッキも、2000年前後には関東で普通の寿司ダネになりました。ただ苦みや渋みが少ないぶん、青柳(バカガイ)のような個性を好む古い職人には嫌われることもあります。

姥貝、北寄、母恋

標準和名「ウバガイ」の出どころは『目八譜』。もともとは福島から銚子あたりの呼び名で、殻が薄汚れていて姥(老婆)を思わせるから、という名前です。ただ、流通ではまず使われません。
北海道「ホッキ」はアイヌ語に由来します。漢字の「北寄貝」は、北海道など北に寄ったところでとれる貝、という意味で当てた字。
北海道室蘭市の地名「母恋(ぼこい)」は、ホッキガイがたくさんとれる所を意味するアイヌ語から来ています。駅名にもなっている地名です。

貝焼き、ほっき飯、釧路のみそ汁

福島福島県いわき市などには、ウニをホッキガイの貝殻に詰めて蒸し焼きにする「貝焼き」があります。
福島福島県浜通りの「ほっき飯」は2通り。ホッキをそのまま炊き込むものと、甘辛く煮て炊きたてのご飯に混ぜるものがあります。
北海道釧路のホッキ貝のみそ汁は、こう作ります。剥き身にして水管などの砂を洗い流し、足の元の内臓を指で押し出して取る。あとは水から煮て、みそを溶くだけ。
ホッキは剥き身にしやすい貝です。軟体は全部食べられますが、足の付け根にある柔らかくどろっとした部分(肝膵臓)は、たいてい押し出して捨てます。砂をかんでいることが多いので、そこは要注意。

値段

回転寿司・街の寿司屋・高級店のおまかせを並べて比べる

大衆店

  • 築地玉寿司 築地本店「ほっき貝」お好み1貫(税込)660円2026-09-29 時点
  • すしざんまい「ほっき貝」1個(グランドメニュー、税込)437円2026-09-29 時点
  • 梅丘寿司の美登利「ほっき貝」(税込。貫数の記載なし。一部店舗は価格が異なる場合あり)275円2026-09-29 時点
  • 梅丘寿司の美登利「むきたてほっき貝」(税込。貫数の記載なし。一部店舗は価格が異なる場合あり)550円2026-09-29 時点

市場

  • 苫小牧産ホッキ貝の卸売平均単価(2024年、税込み)601円1kgあたり601円

『江戸前の旬』では

122巻の紹介文は、冬の味覚の一つにホッキガイを挙げます。2025年には総集編『晩冬・ホッキガイ編』が出ました。

土地の呼び名

呼び名土地種類・メモ
ホッキガイ(北寄貝)北海道・東北・関東などアイヌ語のポキセイから来たとされる。
ウバガイ・ウバッカイ福島県・茨城県標準和名はこの地方の呼び名から。
ドンブリガイ北海道十勝・釧路
ツウツウレップ北海道長万部
バカガイ千葉県銚子市外川
ホッキゲイ青森県八戸

次に読みたくなる

ホッキ貝とつながるタネ

このページの出典(12件)