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北海道

北海道の寿司は、港ごとに話がある。寿司屋通りのある小樽、冬に樽で漬ける飯寿司、夏の積丹のウニ、生きたまま揚がる函館のイカ。日本のホタテの約8割も、甘エビの水揚げ日本一も北海道です。

寿司の街・小樽は、魚供養から

昭和62年(1987年)の小樽は、人口17万人ほどの地方都市でした。そこに寿司屋が130店以上。寿司屋が集まる、国道5号線から小樽運河へ向かう200mに、老舗の店主たちが「小樽寿司屋通り」と名前を付けたのがこの年です。
始まりは魚供養でした。いつもタネとして握っている魚に感謝して、供養する。かつてはニシンがたくさんとれたのに、もうとれなくなった小樽で、感謝すればまた戻ってくるかもしれない、という願いがこもっています。近所の寿司屋に声をかけて集まった5軒が、そのまま「小樽寿司屋通り名店会」になりました。ちょうど運河論争が決着して、小樽観光に火がついたころ。ニシンは戻らないのに、観光バスはどんどん来た。ニシン
いまも小樽市内には100店を超える寿司屋があります。小樽で推したいタネは三つ。春告魚(はるつげうお)とも呼ばれ、1月から3月が旬のニシン。子持ちのメスがうまい、4月から6月の春のシャコ。そして5月中ごろから8月のウニ。小樽の近海のウニは、オレンジ色のエゾバフンウニと、薄い黄色のキタムラサキウニです。ニシンシャコウニ
小樽・石狩のシャコは、ほかの産地のものより大きい。北海道でシャコの刺し網漁をしているのは、石狩湾の沿岸だけです。漁期は年2回で、卵の熟した子持ちを狙う4〜6月と、脱皮して身入りのいい10〜12月。漁の段取りが変わっています。シャコは時化で海底が濁ると、えさを探しに巣穴から出てくる。だから荒れる前に網を入れておき、海が穏やかになってから揚げる。時化の日が多いほど漁に出る日が増える、ふつうとは逆の漁です。小樽では平成20年から毎年11月に「小樽しゃこ祭り」を開き、ゆでたて・焼きたての殻付きシャコをふるまっています。シャコ

夏の積丹、春の甘エビ

積丹のウニ丼
積丹のウニ丼写真: 切干大根(CC BY-SA 4.0)
夏の積丹半島は、天然のウニを目当てに来る人でにぎわいます。旬は6月から8月。オレンジ色のエゾバフンウニが「赤」、淡い黄色のキタムラサキウニが「白」で、両方を盛った赤白のウニ丼も出る。積丹の主流はキタムラサキウニです。えさになる良質な昆布が、この海にはたっぷり育っている。ウニ
甘エビの水揚げ日本一は、北海道の日本海側。漁場は武蔵堆(むさしたい)や小樽堆と呼ばれる、海底が平らな頂のように盛り上がった場所です。とり方はえび篭漁。ニシンやスケソウダラをえさに入れたドーム型の篭を、約300個ずつ1本のロープにつないで海へ沈めます。1隻が持つ篭は2,000個。3月に解禁され、水揚げがピークになる5月が、いちばん身入りがいい。エビ
日本でとれるホタテの約8割が北海道産。北海道のホタテ漁業は、2013年5月にMSC認証(海のエコラベル)を取っています。ホタテ

函館のイカは生きて揚がる

函館港のイカ釣り船
函館港のイカ釣り船写真: Chi King(CC BY 2.0)
函館市の魚はイカ。津軽海峡に面した函館では、スルメイカ漁が毎年6月1日に解禁され、夏には函館の沖が主な漁場になります。市内から漁火が見えるほどの近さ。そこで生まれたのが「いけすイカ」です。ふつうイカは死んだ状態で水揚げしますが、いけすイカは釣ったイカを漁船の水槽に入れたまま港へ運び、生きたまま揚げる。漁場から市場までが近く、沿岸の水温が本州などより低い函館だからできることです。イカ
北海道の沿岸では、明治より前からイカを釣ってきました。いけすを備えた船が増えたのは1970年代の後半。いまは函館市漁協と銭亀沢漁協の漁船43隻が、いけすイカを揚げています。一部はいけすから活魚運搬車に積み替えられ、「活イカ」として生きたまま出荷されます。イカ

北海道での呼び名

呼び名一般には出典での土地の書き方
マンダラカツオ北陸地方、富山県新湊・四方・富山、新潟県出雲崎、北海道
テックイヒラメ北海道
マコガレイマガレイ(真鰈)北海道各地、新潟県新潟市
ギンガレイカラスガレイ北海道
シラオ白魚北海道厚岸
春ニシン・群来ニシンニシン3〜6月に産卵に寄るもの。夏ニシン、冬ニシンとも呼び分ける北海道
オオダコ・シオダコミズダコ雄の呼び名。北海道
マダコミズダコミズダコの雌をこう呼ぶ。標準和名のマダコとは別種。北海道
トンエビ(屯えび)甘エビ大量にとれることから。北海道・新潟県・富山県
ボタンエビぼたんえび(トヤマエビ/ボタンエビ)トヤマエビの一般的な呼び名。北海道・新潟県糸魚川市・東京都など関東周辺
アンコ・クラッカタラバガニ未成体をアンコ、さらに小さいものをクラッカと呼ぶ。北海道釧路
ガサエビシャコ北海道・青森県
ガザエビシャコ北海道
アキシャコ(秋しゃこ)シャコ秋に始まるシャコ漁でとれたもの。北海道
ホッキガイ(北寄貝)ホッキ貝アイヌ語のポキセイから来たとされる。北海道・東北・関東など
ドンブリガイホッキ貝北海道十勝・釧路
ツウツウレップホッキ貝北海道長万部
カイセン(海扇)ホタテ北海道など(商品名)
カモガイナミガイ(白ミル)北海道(サロマ湖・北見・道南)
マツブ(真つぶ)真つぶ(エゾボラ)北海道
アブラ真つぶ(エゾボラ)毒のある唾液腺の呼び名。北海道
ネムリツブ(眠りツブ)青つぶ(ヒメエゾボラ)北海道道南・青森県下北半島・八戸
アオツブ(青ツブ)青つぶ(ヒメエゾボラ)東京都・青森県・北海道など
デロリン青つぶ(ヒメエゾボラ)北海道増毛
たち(真だち・すけだち)白子北海道
ガンゼ・ガゼエゾバフンウニ(赤)北海道
ノナキタムラサキウニ(白・黄)北海道室蘭・白老など
新香巻き(きゅうりの奈良漬け)お新香巻北海道

北海道の食べ方・名産

北海道の寿司ばなし

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