寿司のデータベース

品書き / 魚卵・ウニ

ウニ雲丹・海胆

うに/Sea urchin

寿司で食べているのは、ウニの生殖巣です。国産の寿司ダネは、ほとんどがエゾバフンウニ(身の色から「赤」)とキタムラサキウニ(「白」「黄」)の二つ。赤は、白よりかすかな苦みと香りが強く、深みのある味。白は旨みと甘みがほどよく、後味があっさりしています。握るとすぐ崩れるので、ウニはもともと寿司ダネとしてはタブーでした。それを1941年ごろ、銀座久兵衛が海苔で囲って「軍艦巻き」に仕立てた。いまの定番は、ここから始まります。

エゾバフンウニ(登別マリンパークニクスの飼育個体)
エゾバフンウニ(登別マリンパークニクスの飼育個体)写真: Totti(CC BY-SA 4.0)
ウニの軍艦巻き(東京・亀戸の回転寿司)
ウニの軍艦巻き(東京・亀戸の回転寿司)写真: Schellack(CC BY 3.0)

旬

エゾバフンウニ(赤)
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キタムラサキウニ(白・黄)
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バフンウニ
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ムラサキウニ
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旬 出回る時期

種類

エゾバフンウニ(赤)

別名 赤、ガンゼ

東北以北、とくに北海道でとれるウニ。剥き身の色から、流通では「赤」と呼ばれます。味も最上級で、値段も一級品。

旬は春から秋ですが、産地と漁期でずれます。北海道のものは秋から初夏、三陸産は夏に入荷。

キタムラサキウニ(白・黄)

別名 白、黄、ノナ

エゾバフンウニと並んで、国産ウニのほとんどを占めます。剥き身は黄色みがかっていて、エゾバフンウニの「赤」に対して「白」。寿司店では「黄」とも呼びます。主産地は北海道、岩手県、青森県。

旬は春から夏。

バフンウニ

別名 ガゼ、ガンゼ

日本海・相模湾以南に多い小型のウニ。とびきり濃厚なのに漁獲が少なく、出回るのは産地のまわりだけです。日本三大珍味のひとつ、越前(福井県)の塩ウニはこれが原料。

旬は夏。

ムラサキウニ

別名 クロウニ

暖かい海の岩場なら、どこにでもいるウニ。生殖巣がふくらむのは春で、本州ではいちばん早い。ほとんどが産地で食べられてしまいます。

旬は晩春から夏。

軍艦巻きか、直づけか

軍艦巻きにせず、ウニを直接シャリにのせて握る「直づけ」もあります。シャリと一緒にほろりと崩れて、タネ本来の味がよくわかる。

赤と白、弁当箱とミョウバン

キタムラサキウニ(登別マリンパークニクス)
キタムラサキウニ(登別マリンパークニクス)写真: Totti(CC BY-SA 4.0)
寿司ダネのウニは色で呼び分けます。エゾバフンウニは剥き身の色から「赤」、キタムラサキウニは「白」。寿司店では、キタムラサキウニを「黄」とも言います。
寿司店のウニは、「弁当箱」と呼ばれる経木の箱に、剥いた状態できれいに並んで届きます。
剥きウニの多くは、ミョウバンを溶かした海水にくぐらせてあります。組織を引き締めて、身崩れや溶けを防ぐためです。引き換えに、渋みや苦みが出る。
ミョウバンで味が落ちるのは間違いありません。それでも見栄えを重んじる高級寿司店では、卸値が一折2万円を超えるミョウバン添加ウニを使うこともあります。
岩手岩手県から宮城県にかけては、剥いたウニを牛乳瓶に詰めた生ウニが売られています。ミョウバンを使わないので、剥きたてに近い味。

野いちごに見える吸い物

いちご煮
いちご煮写真: Totti(CC BY-SA 4.0)
青森青森県八戸市や階上町に伝わる「いちご煮」は、ウニとアワビの吸い物。乳白色の汁に浮かぶ黄金色のウニが、朝露にかすむ野いちごのように見える。だから、いちご煮。
青森八戸のあたりには「青じその出る頃にウニが美味しくなる」という言い習わしがあり、ウニの旬は7月ごろ。いちご煮が全国に知られたのは、1980年に地元業者が缶詰にして土産品にしてからです。
青森いちご煮を家で作るなら、アワビを殻から外してうろを除き、薄く切ります。沸騰した湯に調味料で味を付け、ウニとアワビを入れて、再び沸いたら火を止める。煮すぎると身が固くなるので、火はあまり通しません。
岩手岩手県の定番は、アワビの貝殻にウニのむき身を詰めて蒸し焼きにした「焼うに」。福島県いわき市では、ホッキガイの殻に詰めて「貝焼き」にします。
岩手岩手県洋野町には、海の岩盤を櫛の歯のように掘った「増殖溝」があります。そこへ海水が流れ込み、ウニは昆布やワカメを食べて育つ。旬は6〜8月です。

海胆、雲丹、海栗

漢字は三通り。「海胆」の胆は肝のことで、昔は食べる部分を肝だと考えていたから。「雲丹」は食べる部分を指す言葉。「海栗」は、棘だらけの見た目そのままです。
バフンウニ・福井越前(福井県)の練りウニ(塩雲丹)は、バフンウニで作ります。長崎県野母のからすみ、三河のこのわたと並んで、日本三大珍味のひとつ。
バフンウニバフンウニは土地によって渋みや苦みが強く、食べない地域もあるほどです。三重県などのものは渋みがありません。

余ったウニの行き先

残ったウニを空鍋でつぶしながら煎って「うにおぼろ」にし、軍艦巻きにする寿司職人もいます。水が出ず、風味が濃くなる。
ウニは売れ残ると商売に響く。そこで卵焼きに入れて、つまみや握りにする店もあります。
北海道北海道では「蒸しうに」も作られます。生より赤色が濃くなり、後味がいい。ただ、あまり入荷しないのが残念なところ。

値段

回転寿司・街の寿司屋・高級店のおまかせを並べて比べる

回転寿司

  • くら寿司「濃厚うに(一貫)」(一皿110円からの店)230円2026-09-25 時点
  • くら寿司「うにくら煮卵」1皿(一皿110円からの店)250円2026-09-25 時点

大衆店

  • 築地玉寿司 築地本店「うに」お好み1貫(税込)1,430円2026-09-29 時点
  • 築地すし鮮「生うに」おこのみ1貫(税込)759円2026-09-29 時点
  • すしざんまい「うに」1個(グランドメニュー、税込)1,408円2026-09-29 時点
  • 梅丘寿司の美登利「うに」(税込。貫数の記載なし。一部店舗は価格が異なる場合あり)550円2026-09-29 時点
  • 梅丘寿司の美登利「極上うに」(税込。貫数の記載なし。一部店舗は価格が異なる場合あり)715円2026-09-29 時点
  • 芦屋 波沙鮓「うに」にぎり1貫(税込。本体価格1,500円)1,650円2026-09-30 時点

高級店

  • 高級寿司店で使われるミョウバン添加ウニの卸価格一折2万円を超えるものもある

『江戸前の旬』では

連載の第18話と第19話は、前編と後編の「ウニ」。単行本では85巻にも「ウニ」と題した話があります。

読者の感想によれば、2巻のウニの話で旬が挑むのは、軍艦巻を超えるウニの寿司。30巻では、甘エビやサケは絶対に握らない昔気質の鱒之介が、なぜウニだけは握るのかに旬が疑問を持ちます。答えの糸口は、40年前にウニの旨さを広めようと銀座の寿司屋を行商して回った男の話。読者の感想には、21巻の明礬の苦味と塩水ウニ、26巻の蓴菜と雲丹の軍艦も挙がっています。

土地の呼び名

呼び名土地種類・メモ
ガンゼ・ガゼ北海道エゾバフンウニ(赤)
ウマノクソガゼ新潟県佐渡エゾバフンウニ(赤)
ノナ北海道室蘭・白老などキタムラサキウニ(白・黄)
オニガゼ新潟県佐渡キタムラサキウニ(白・黄)
ガンゼ三重県バフンウニ
ガゼ三重県鳥羽市・長崎県平戸市度島バフンウニ
ボウズガゼ熊本県天草市バフンウニ
クロウニ(黒海胆)徳島県徳島市・鳴門市ムラサキウニ

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ウニとつながるタネ

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