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品書き / 光り物

生しらす

なましらす/Raw whitebait (Nama-shirasu)

イワシの稚魚を、ゆでずに生で。とれたその日にしか食べられないタネで、静岡では「生しらすは一日だけのもの」と言います。透きとおった身のぷりっとした食感、旨みのあとに来るかすかな苦み。冬は禁漁で姿を消します。

カタクチイワシ(成魚。海遊館)
カタクチイワシ(成魚。海遊館)写真: Kingfisher(CC BY-SA 4.0)
生しらす
生しらす写真: Kentin(CC BY-SA 4.0)

旬

生しらす
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静岡では1月15日〜3月20日、湘南では1月1日〜3月10日が禁漁。

旬 出回る時期

生しらすは、一日だけのもの

生しらすは、一日だけのもの。静岡の人はそう言います。早朝に出た船が朝6時過ぎには戻り、昼前にはもう寿司屋の軍艦に。水揚げから5時間あまりの生しらすには生臭さがまるでなく、苦みもほとんど感じない。かすかな苦みがむしろ心地よく、旨みが口のなかではじけます。東京にも届きますが、土地で食べるのとは別物です。
寿司屋では軍艦巻きに。刻んだわけぎと生姜をのせると、しらすにはまだ透明感が残っていて、ぷりぷりした食感のあとに旨みと苦みが押し寄せる。その味の洪水を、シャリがみごとにまとめます。
春先の網には、アユの稚魚が混ざることもあります。混ざっていない年の生しらすが、いちばんいい状態です。

駿河湾の船びき網

静岡しらすを生で食べる土地は、もともと多くありませんでした。古くから食べていたのが静岡県と高知県。いまは流通が発達して全国に広まりつつあります。漁獲量でも静岡県がいちばんで、兵庫県、愛知県と続きます。
釜揚げと生しらすのしらす丼(静岡県富士市・田子の浦港 漁協食堂)
釜揚げと生しらすのしらす丼(静岡県富士市・田子の浦港 漁協食堂)写真: Ocdp(CC0)
静岡静岡市の用宗、清水、由比の沖で、しらすは安倍川、興津川、富士川の河口に集まります。昼間に群れでえさを食べているところを、船で網を引いてとる「船びき網」。用宗では2そう、清水と由比では1そうで引きます。
冬には生しらすが消えます。静岡県は漁業調整規則で1月15日〜3月20日が禁漁。神奈川県の湘南は1月1日〜3月10日が禁漁です。その間、店に並ぶのは冷凍もの。
しらす漁は、日本海側では富山湾、太平洋側では宮城県の閖上・亘理町が北限。南は鹿児島県までとれます。値段は年々上がっています。

「しらす」は何の子か

「しらす」は、そもそも魚の稚魚全般を指す言葉。店で売っているのはイワシの稚魚で、駿河湾ではカタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシの3種が混ざってとれます。孵化して間もなく、まだ黒い色素を持たない状態がしらす。育って色素が出て、餌を食べ始めたものは「かえり」と呼び分けます。
塩ゆでして湯を切り、冷ましただけなのが「釜揚げしらす」。それを軽く干すと「しらす干し」で、東日本でいちばん一般的。強く干したものが「ちりめん」で、こちらは西日本に多い。同じ稚魚でも、干し加減で東西の好みが分かれます。

どろめ、沖漬け、ちりめん

高知高知ではしらすを「どろめ」と呼びます。海の泥から目を出しているから、濁った海で目だけがぎょろりと見えるから、と由来も目にまつわるものばかり。土佐湾はイワシの産卵場で、ほのかな苦みとつるっとした食感のどろめを、すりおろした葉にんにくを味噌に混ぜた「ぬた」で食べます。
神奈川鎌倉の腰越あたりでは、しらすの燻製や、生きているうちに醤油だれに漬け込んだ「沖漬け」も作られています。
徳島ちりめんの最上級は、徳島県小松島のもの。名古屋にはちりめんを酢と溜まり醤油で食べる家庭の味があり、愛媛では「かえりちりめん」をナスと三杯酢に漬ける「なすのあちゃら」があります。

回転寿司と台所の生しらす

回転寿司でも生しらすの軍艦は定番になりつつあり、はま寿司では「生しらす(日本近海産)」が税込176円(2026年9月確認)。
生しらすを買うなら、漁のあった日のその日のうちに。とれた当日しか出回らないので、禁漁期や漁のない日にはありません。産地の直売所の情報を確かめてから出かけるのが確実です。
家なら、ご飯に生しらすをたっぷりのせ、刻んだわけぎと生姜をのせて醤油をひとたらし。寿司屋の軍艦と同じ組み合わせです。

値段

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回転寿司

  • はま寿司「生しらす(日本近海産)」176円2026-09-25 時点

土地の呼び名

呼び名土地種類・メモ
どろめ高知
シラス(白魚)東京都、神奈川県、富山県、和歌山県カタクチイワシの稚魚

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生しらすとつながるタネ

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