宮城県
塩竈は、人口あたりの寿司屋の数が日本一という評判の町。生のメバチの水揚げも日本一です。気仙沼はカツオ、南三陸はギンザケ養殖の始まりの地。秋ははらこ飯、正月はイクラの仙台雑煮。
塩竈は、寿司屋の町
仙台と松島のあいだの港町、塩竈。人口あたりの寿司屋の数が日本でいちばん多い、という評判の町です。昔から寿司屋が多く、どの店も自分の味と技で競い合ってきました。米どころ宮城の米に、三陸沖の魚。
塩竈では、寿司職人と漁師の距離がとても近い。大きな市場から箱で仕入れるのではなく、小さな船で出た漁師が、板前が昼の仕込みを始めるころにその日の魚を持って帰ってくる。それを頼りにしている店が多いのです。だから品書きには、季節ごとにマグロの胃袋や白子、魚卵、ニシガイ、アカマンボウといった珍しいタネも並ぶ。シャリにするササニシキやコシヒカリも、近くの農家から仕入れています。マグロ
塩竈は、冷凍ではない生のマグロの水揚げ基地です。毎年5月から12月にかけて、本マグロ、メバチ、ビンナガ、キハダが次々に揚がり、生鮮メバチの水揚げは日本一。秋口から初冬に延縄船が揚げるメバチのうち、目利きのお眼鏡にかなったものを「三陸塩竈ひがしもの」と呼んで、ブランドにしています。沖は親潮と黒潮がぶつかる海です。マグロ
気仙沼のカツオ、南三陸のギンザケ

ギンザケの養殖は、宮城で始まりました。1975年、南三陸町の志津川で、世界で初めてギンザケの養殖が始まります。いま国内の養殖ギンザケは、宮城産が生産量日本一で、シェアは85%以上。南三陸町、女川町、石巻市で育てています。深くて波の静かな湾が多く、7月の後半まで海水温が20℃以下と低いのが、ギンザケに向いている。サーモン
そのギンザケを、揚げてすぐに活け締め・神経締めしたものが「みやぎサーモン」で、平成29年5月に地理的表示(GI)に登録されました。包丁を入れると刃をつかむような感触があり、身につやがある。刺身で食べられる鮮度が、この名前の条件です。サーモン
はらこ飯と仙台雑煮
宮城は北上川、鳴瀬川、阿武隈川など、秋にサケがのぼる川の多い県です。白サケ類の漁獲量は全国トップクラス。100年以上前から人工ふ化と放流を続けていて、いまも県内に20か所のふ化場があります。サーモン
宮城県での呼び名
| 呼び名 | 一般には | 出典での土地の書き方 |
|---|---|---|
| コヤツ/ビンゴ→ヤタ | カツオ若魚がコヤツ・ビンゴ、成魚がヤタ | 宮城県仙台 |
| バチ | メバチ(メバチマグロ) | 宮城県仙台、千葉県銚子、東京、神奈川県三崎、愛知県豊橋、高知 |
| セッパ | スズキ若魚 | 宮城県石巻市 |
| シャコエビ | シャコ | 宮城県石巻市 |
| きく・きくこ(菊子) | マダラの白子(真だち) | 宮城県石巻市 |
| ハモ・ハム | 穴子釣り上げると噛みつくので「食む」からとも。 | 青森県・宮城県石巻・福島県いわき市・山形県鶴岡市など |
宮城県の食べ方・名産
- カツオ宮城北上から南下に転じる宮城県・金華山沖では、初鰹でも脂がのっています。だから西日本ほど、季節で味が変わりません。
- マグロ宮城明治初年ごろから、三陸の漁場のマグロが東京に出回り、「仙台鮪」と呼ばれました。ところが東京に届くまでに鮮度が落ちてしまい、うまくない鮪の代表にされていたのです。
- サバ宮城「金華さば」は、宮城県金華山沖で秋に取れ、石巻港に揚がったマサバ。「松輪さば」は、東京湾を回遊するマサバを初夏や秋に釣り上げたものです。
- 赤貝宮城高級寿司店が「アカガイは閖上産だけ」と言い切る、その閖上は宮城県名取市にあります。1992年の雑誌『サライ』では、閖上赤貝組合の会長が、閖上の赤貝が日本一と呼ばれるようになったのは「ここ数年」と語っている。看板としては、案外新しいのです。
- ホヤ宮城全国のホヤの約8割は宮城産。養殖は明治のころ、気仙沼で、船の錨綱に使っていたヤマブドウのつるにマボヤがついていたのを採ったのが始まりです。いまはカキの殻をロープにつけて海に下げ、ホヤの子をつけて、間引きしながら3年ほど育てる。牡鹿半島の北側が特に盛んです。
- ホヤ宮城震災の前、宮城のホヤの7割ほどは韓国へ輸出され、キムチの具や刺身になっていました。2011年の東日本大震災で三陸の養殖施設はほぼ全壊。施設は建て直されたものの、韓国は2013年に東日本の太平洋側の県の水産物の輸入を止め、2016年には宮城で育った約1万3,000トンのうち7,600トンが焼却処分されました。そこから国内への売り込みが本格化し、震災前は年2,000トン前後だった国内出荷は、2016年には約5,500トンに増えています。
- ホヤ宮城昔からホヤを食べてきたのは三陸で、石巻漁港を抱える宮城では酒の肴の定番。北海道でも普通に出回ります。東京圏で広く食べられるようになったのは近年のことで、中部から西では2020年になっても、ほとんど見かけません。宮城の石巻には、干しホヤのだしで作る「ほや雑煮」まであります。
- ホヤ宮城宮城の定番は、同じころに旬を迎えるきゅうりと合わせた酢の物。ホヤは1cm幅に切り、きゅうりは蛇腹切りにして塩を振り、しんなりしたら絞る。しょうが、みょうが、青じそを千切りにして、醤油と酢とみりんを混ぜた合わせ酢で和えます。
- ホヤ宮城生の匂いが苦手なら、蒸しほやから。口と根を落として縦半分に切り、黒い内臓を取って塩水で洗う。殻を下にして鍋に並べ、少しの水で強火で蒸し煮にし、湯気が立ったら酒を振って中火に。身がくるっと丸まったらできあがりです。蒸すと独特の匂いが抑えられて、食べやすくなります。
- 牡蠣宮城広島に次ぐのは宮城、そして岡山、岩手。養殖が盛んなのは瀬戸内海と三陸です。2011年の東日本大震災で宮城の養殖場が壊滅したとき、復旧を手伝ったのはフランスの牡蠣の養殖業者たちでした。かつて日本に助けてもらった恩返しです。フランスで牡蠣の稚貝が死滅したとき、日本の種ガキが海を渡っていました。
- かっぱ巻宮城宮城県生まれの「マンボ巻き」は、筋子ときゅうりの巻物。昭和30年代に流行しました。赤と緑が、当時はやったキューバのダンス音楽マンボの衣装を思わせたから、という名前の由来がついています。
宮城県の寿司ばなし
このページの出典(28件)
- 寿司屋:塩竈の寿司屋について|地域観光資源の多言語解説文データベース(観光庁)2026-09-29 閲覧
- まぐろのはなしあれこれ(宮城県塩竈市)2026-09-29 閲覧
- 気仙沼カツオ 祝・日本一返り咲き|生鮮カツオ水揚げ日本一の港町(気仙沼観光推進機構(気仙沼さ来てけらいん))2026-09-29 閲覧
- 銀鮭 南三陸志津川産「みやぎサーモン」水揚げ最盛期!!(南三陸町観光協会(南三陸観光ポータルサイト))2026-09-29 閲覧
- はらこ飯 宮城県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-29 閲覧
- 仙台雑煮 宮城県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-29 閲覧
- 塩竈の寿司(宮城県塩竈市)2026-09-29 閲覧
- 生鮮カツオ水揚げ量日本一に返り咲き!(気仙沼観光推進機構(気仙沼さ来てけらいん))2026-09-29 閲覧
- みやぎサーモン|宮城県|全国のプライドフィッシュ(全国漁業協同組合連合会(プライドフィッシュ))2026-09-29 閲覧
- カツオ|Wikipedia(Wikipedia)2026-09-25 閲覧
- メバチマグロ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- スズキ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- シャコ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マダラ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マアナゴ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- クロマグロ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マサバ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
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- 蒸しほや(むしほや)|にっぽん伝統食図鑑(農林水産省)2026-09-29 閲覧
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- カキ (貝)|Wikipedia(Wikipedia)2026-09-29 閲覧
- 牡蠣/マガキ(218貫目)|WEB寿司図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-29 閲覧
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