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富山県

「寿司といえば、富山」。立山連峰から富山湾の底まで4,000mの高低差がつくる「天然のいけす」があり、地魚10貫の富山湾鮨がある。春はホタルイカ、冬はかぶらずしです。

寿司といえば、富山

「寿司といえば、富山」。富山県が、県を挙げて掲げている看板です。寿司を入口にして、富山の食、酒、器まで知ってもらおう、というブランディングの取り組み。県と市町村、観光団体、富山県鮨商生活衛生同業組合が紹介している県内の寿司店を1枚の地図にまとめた「富山県寿司マップ」まであります。
氷見の浜から、富山湾越しに見た雪の山並み
氷見の浜から、富山湾越しに見た雪の山並み写真: kiwa dokokano(CC BY-SA 3.0)
富山の寿司がうまい理由は、地形にあります。標高3,000m級の立山連峰から、水深1,000mを超える富山湾の底まで、わずか50kmほどで4,000mの高低差。富山湾が深いのは、日本列島がアジア大陸から裂けて離れ、日本海が生まれたときの断裂帯の跡だからです。
富山湾の水は3層です。いちばん上は、立山の森の栄養を川が運び込む沿岸の水。その下に、能登半島に沿って入ってくる対馬暖流の水。さらに水深300mより深くには、一年中0〜1℃の日本海固有水。暖流の魚も、冷たい海の魚も、深海の魚もすんでいて、日本海にいる約800種のうち約500種が富山湾にいる。だから「天然のいけす」と呼ばれます。海底には「藍瓶(あいがめ)」と呼ばれる海底谷が16もあり、どれもよい漁場です。
しかも、漁場が近い。氷見では「越中式定置網」、魚津では「カニ籠漁」が生まれました。定置網は岸から見えるところに仕掛けてあるほどで、揚がった魚はすぐ市場へ。とれたて、セリたて、握りたて。立山の雪解け水は川になって田んぼを潤し、シャリにする米も育てます。

地魚10貫の富山湾鮨

そんな富山で、ぜひ頼みたいのが「富山湾鮨」。決まりは、富山湾でとれた旬の地魚の握りが10貫、シャリは富山県産米、富山らしい汁物付き。値段は2,700円から5,500円(税込)の間と決まっていて、目の前に並ぶ10貫のタネを、一貫ずつ説明してくれます。前日までに予約すれば、小鉢などの特典が付く店もある。天候で地魚が揃わない日は、事情を話したうえで一部を富山湾産以外のタネにすることもあります。
寿司は家族のものでもあります。富山県は毎月第3日曜日を「とやま県民家庭の日」と定めていて、この日に家族で寿司を食べようというキャンペーンを、ご当地の回転寿司店や寿司店、ます寿し店、スーパーと組んで行っています。回転寿司店では、待ち時間に富山湾の魚介のクイズを解けるリーフレットも配っています。

春はホタルイカ

ホタルイカの軍艦巻き
ホタルイカの軍艦巻き写真: BanzJapan(CC0)
春の富山湾の主役は、ホタルイカ。ふだんは水深200〜600mの深海にすむ、胴長7cm、重さ10gほどのイカです。3月から5月、産卵のために群れで富山湾にやってくる。これほど大量に押し寄せるのは、世界的にも珍しい。富山市水橋から魚津にかけての海面は、昭和27年に「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物になりました。その中心が滑川です。イカ
とり方は定置網。産卵のために深海から海面近くへ上がってきたメスを網に導いてとるので、底びき網で群れを一度にさらうのとは違い、「資源にやさしい漁業」と呼ばれます。滑川では、漁港から約3kmまでの沿岸に11カ統の定置網があり、昔ながらの「わら網」を使う。漁期には、ホタルイカ漁を守るために水田の水を海へ流さない取り組みまであります。漁は3月に解禁され、6月ごろまで。イカ
富山の家で春にいちばんよく出るのは、ゆでたホタルイカの酢味噌和え。塩を入れた湯でゆでると胴が丸くなってつやが出て、中はとろり、外はぷりぷり。ワケギを添えて、味噌・酢・辛子・砂糖の辛子酢味噌をかけます。漁場のある港町では、この時期、毎週のように食卓にのぼる。イカ

みょうが寿し

富山市の南東、旧大山町の小佐波(おざなみ)地区には「みょうが寿し」があります。ここでとれる小佐波みょうがは、鮮やかなピンク色で香りのいい伝統野菜。炊きたてのシャリにミョウガとマスのほぐし身を混ぜ、できたてを茶わんによそって食べるのが、祭りの日のごちそうでした。いまは笹で包んだ押し寿司のみょうが寿しもあり、道の駅などで買えます。ます寿司

富山県での呼び名

呼び名一般には出典での土地の書き方
マンダラカツオ北陸地方、富山県新湊・四方・富山、新潟県出雲崎、北海道
メジ(メジマグロ)クロマグロ(本マグロ)小型千葉・東京・神奈川、山形県鶴岡市、富山県高岡市
ツバイソ→コズクラ→フクラギ→アオブリ→ハナジロ→ガンド→ブリ→オオブリブリフクラギ(福来来)は30〜45cm富山県
アオコ→コズクラ→フクラギ→ガンド→サンカ→ブリブリサンカは「三年」富山県氷見市
メビキヒラメ富山県富山・打出
ホウホウホウボウ鳴き声から富山県魚津、福井県三国
シオノコ(汐の子)カンパチ若魚富山県生地・新湊・魚津
アカイオカンパチ大型新潟県能生町、富山県魚津・氷見
クチボソ(口細)マコガレイ(真子鰈)新潟県村上市岩船・出雲崎、富山県新湊、能登、福井県、鳥取県、島根県
ヤキモチコゴモリカワハギ富山県東岩瀬
アカムツノドグロ標準和名千葉県金谷、東京都、神奈川県、富山県魚津、三重県志摩市、鹿児島県種子島
ギョウシン(魚神)ノドグロ富山県氷見市・魚津
ダンジュウロノドグロ富山県富山市
シロイヨ白魚富山県射水・氷見
アマサギ白魚富山県射水市放生津潟・新湊
シラス(白魚)生しらすカタクチイワシの稚魚東京都、神奈川県、富山県、和歌山県
リュウグウソウメン(龍宮そうめん)ホタルイカげその呼び名。富山県周辺
サヤナガヤリイカ富山県
トンエビ(屯えび)甘エビ大量にとれることから。北海道・新潟県・富山県
シロエビ白エビ(シラエビ)富山県・関東などの市場
ベッコウエビ(鼈甲蝦)白エビ(シラエビ)富山県
エゴバイ青つぶ(ヒメエゾボラ)富山県富山市

富山県の食べ方・名産

富山県の寿司ばなし

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