徳島県
瀬戸内海、紀伊水道、太平洋の三つの海に囲まれた県。秋祭りには、魚の形をそのまま残す姿寿司を作ります。南部で使うのは、土地の言葉で「ボウゼ」と呼ぶイボダイ。スダチは、全国のほぼすべてが徳島産です。
秋祭りのボウゼの姿寿司
三段の遊山箱
江戸時代から徳島に伝わる「遊山箱」は、引き出し式の三段重ねの弁当箱。一段目に巻きずしなどの食事、二段目に煮しめなどのおかず、三段目にようかんなどの甘いものを入れます。桃の節句や秋祭り、花見、海や川へ出かける日のお供でした。中身は土地や家によって違います。太巻き
スダチと伊勢エビ
スダチは徳島の生産量が日本一で、全国のシェアはほぼ100%。徳島市、神山町、佐那河内村、阿南市などで作られ、スダチの花は県の花にもなっています。
美波町のあたりでは、ひげや足が取れて出荷できなくなった伊勢エビを「あがり」と呼び、そのだしと身を味わう「伊勢エビの味噌汁」にします。9月に伊勢エビ漁が解禁される「お小網のくちあき」のころには伊勢エビ祭りが開かれ、味噌汁をふるまう習わしもあります。
徳島県での呼び名
| 呼び名 | 一般には | 出典での土地の書き方 |
|---|---|---|
| クズナ | アカアマダイ『和漢三才図会』にも「方頭魚(くずな)」とある | 徳島県徳島市 |
| モジャコ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ | ブリ | 徳島県 |
| モンダイモン(問題もん) | ブリメジロサイズかブリサイズか悩む大きさ | 徳島県(漁師の間で) |
| アカハモ(赤はも) | 鱧雌 | 徳島県 |
| アオハモ(青はも) | 鱧雄 | 徳島県 |
| オオグチガレイ(大口鰈) | ヒラメ | 東北・関西、和歌山県串本、兵庫県明石市、広島県、徳島県、愛媛県宇和島、福岡県志賀島 |
| ホンガレイ | ヒラメ | 和歌山県田辺、徳島県 |
| シオ | カンパチ徳島では2kgくらいまでをシオ、2〜3kgをカンパチ、大型をアカハナ | 徳島県、三重県鳥羽市・尾鷲市、和歌山県那智勝浦町、高知県 |
| マルハゲ(丸はげ) | カワハギ | 大阪府、徳島県、愛媛県伊予市 |
| アカモツ | ノドグロ | 徳島県阿南市・海陽町、高知県宿毛市 |
| サゴシ | サゴシ(サゴチ)小型魚・若魚 | 和歌山県、島根県西部、徳島県阿南市、高知県宿毛市、鹿児島県種子島 |
| サゴセ | サゴシ(サゴチ)1kg弱 | 徳島県海部郡海陽町 |
| ヤナギ | ヤナギ | 徳島県阿南市、高知県 |
| ミズセ | スズキ10cm前後 | 徳島県徳島市吉野川河口周辺 |
| レンコダイ(連子鯛) | キダイ(連子鯛)たくさん取れて連なるように揚がる意味 | 関西若狭以西、京都、兵庫、鳥取、島根、徳島など |
| トッカアジ/トッパク | アジ大型。『魚鑑』(1831)にも紀州の「とつか」、土佐の「とつぱ」が出てくる | 兵庫県南あわじ市沼島、徳島県 |
| アジゴ | アジ小さいもの | 徳島県、高知県 |
| ヒラアジ(平鯵) | アジマルアジに対して | 兵庫県南あわじ市沼島、徳島県鳴門市 |
| ヒラゴ(平子鰯) | イワシ | 青森県、日本海、三重県東紀州、徳島県由岐町 |
| コベラ(小平) | イワシ5〜8cmの若魚 | 徳島県海陽町宍喰 |
| キスゴ | キス瀬戸内海など西日本各地でも | 紀州各地(三重県東部・和歌山県)、徳島県海部郡宍喰 |
| アカギス | キスアオギス(青ぎす)に対しての「赤」か | 徳島 |
| サバコ(鯖子) | マサバ(真鯖)幼魚 | 徳島県海陽町宍喰 |
| スズ | サヨリ | 和歌山県、徳島県海部郡海陽町、石川県、大阪府堺 |
| モンゴウイカ | スミイカ(コウイカ) | 徳島県の山間部 |
| クロウニ(黒海胆) | ムラサキウニ | 徳島県徳島市・鳴門市 |
徳島県の食べ方・名産
- カツオ徳島徳島県の「茶ずまし」は、汁椀にカツオの刺身を入れ、熱い煎茶を注いで、醤油で吸い物ほどに味をつける。即席のすまし汁です。
- 鮎徳島徳島県の郷土寿司は、とにかく姿寿司が多い。夏に作るのが鮎の姿寿司で、釣れたばかりの鮎を開いて塩をして寝かせ、甘酢に漬けて、シャリを詰めます。勝浦川の天然鮎で作ったものは臭みがまったくなく、鮎独特の香りが立つ。天然ものを使うところは、県内でも少なくなりました。
- ブリ徳島徳島県では「一夜明けて元旦はぶりの刺身で祝う」。残ったブリは塩焼きにして、ご飯のおかずに。
- ヒラマサ徳島徳島県の南、海陽町宍喰では、6月から8月に揚がるヒラマサがとても味がよく、値も高い。この土地では、はっきり夏の魚です。
- イサキ徳島徳島県海陽町の竹ヶ島では、5月下旬の竹ヶ島神社の祭りにイサキの煮つけを食べます。大ぶりのものを大皿に盛り、翌日、煮こごりになったところに冷たいそうめんをつけて食べる。つけるうちに煮こごりが溶けて、そうめんによくからみます。
- カンパチ徳島徳島県海陽町宍喰などでは、シオ(若いカンパチ)の皮をあぶって、たたきにします。高知県などでは、醤油とわさびで食べることも。
- カワハギ徳島徳島県などでは、カワハギのみそ汁はごちそうの扱いです。
- サワラ徳島徳島県では、冠婚葬祭の吸いものにサワラやハマチを入れます。すまし汁で煮るとほろほろ崩れて、甘味がある。
- タイ徳島鳴門海峡や明石海峡あたりのマダイには、尻鰭の近くの骨がラッキョウ形にふくらんだ「鳴門骨」がしばしば見つかります。急流を泳ぐための変形です。
- 生しらす徳島ちりめんの最上級は、徳島県小松島のもの。名古屋にはちりめんを酢と溜まり醤油で食べる家庭の味があり、愛媛では「かえりちりめん」をナスと三杯酢に漬ける「なすのあちゃら」があります。
- 太刀魚徳島身を上にしてつけるのは四国でよく見られる形で、徳島県の山あいの町、勝浦町の太刀魚寿司も、酢で締めた身を上にして握ります。シャリはあっさり、締め方も控えめで、素朴な味。
- 太刀魚徳島徳島県海陽町の竹ヶ島では、タチウオの切り身と豆腐を吸いもののだしで煮て、薄口しょうゆと酒で味をつけます。だしのきいた汁が、すこぶるうまい。
- ちらし寿司徳島徳島のばらずしには、醤油や砂糖で甘めに煮た金時豆が入ります。
このページの出典(28件)
- 四国地方 徳島県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-30 閲覧
- ボウゼの姿寿司 徳島県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-30 閲覧
- アカアマダイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ブリ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ハモ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ヒラメ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- カンパチ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- カワハギ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- アカムツ(ノドグロ)|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- サワラ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- スズキ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- キダイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マアジ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マイワシ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- シロギス|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マサバ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- サヨリ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- コウイカ(ハリイカ)|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ムラサキウニ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- カツオ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- 鮎姿ずし(1556貫目)|WEB寿司図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ヒラマサ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- イサキ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マダイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- カタクチイワシ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- 太刀魚寿司(1435貫目)|WEB寿司図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- タチウオ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ばらずし|Wikipedia(Wikipedia)2026-09-29 閲覧