トリガイ鳥貝
とりがい/Japanese cockle
握り寿司が江戸時代に生まれたころから、第一線を走り続ける寿司ダネです。食べるのは黒紫色の大きな足。鳥のくちばしに似たその形が、名前の由来のひとつ。1個の貝から握りはたった1つしかとれず、高級店がこぞって使います。京都府は全国に先がけて稚貝を育てる技術を開発し、大型の「丹後とり貝」を送り出している。


旬
トリガイ
旬は早春〜春と、初夏〜秋の2回。丹後とり貝の出荷は6〜7月が中心です。
旬 出回る時期
1個の貝から、握りは1つ
トリガイは、江戸時代に握り寿司が誕生して以来の代表的なタネです。握り寿司が広まるにつれて、値段も上がっていった。しかも1個の貝から握りは1個しかできないのだから、高いのも当然です。
名前の由来は三つ。食べる足の部分の形と色が、鳥のくちばしのようだから。味が鶏肉に似ているから。そして、上総の海で千鳥が貝に変わったという伝説から。
足の黒い色素は取れやすく、手で触れただけですぐはげてしまいます。職人がいちばん嫌うのが、この表面の黒がはげること。

市場に並ぶのは、活けよりも加工済みのもの。開いて湯引きし、「たて」と呼ばれる半透明のプラスチック皿にのせてあります。
石炭の粒で育つ丹後とり貝
京都トリガイの稚貝を大量に育てる技術を、全国に先がけて開発したのが京都府の海洋センターです。その稚貝を漁業者が舞鶴湾・栗田湾・宮津湾・久美浜湾で約1年育てたものが「丹後とり貝」。
京都育てる場所がまた面白い。丹後とり貝は、アンスラサイトという石炭の一種の砂状の粒を入れたコンテナで育ちます。
京都丹後とり貝は2008年、水産物として初めて「京のブランド産品」に認証され、翌2009年には地域団体商標に登録されました。大きいものは殻長10cmほどにもなります。
トリガイは高水温に弱く、酸素が足りないとすぐ死んでしまう。だから多くの土地では夏前にとります。ところが京都府の丹後では夏を越して2年近く育つので、大型になる。そのかわり、豊凶の差がとても激しい。
足で踏んだ船橋、珍重する七尾
まな板にラップを敷く
京都京都府が紹介する丹後とり貝のさばき方です。貝殻をスライドさせるようにして開き、丸い足を取り出す。包丁で開いて内臓を除き、熱湯で10数秒湯通し。丸まった部分を整えれば出来上がりです。
さばくときは、まな板にラップを敷いておくと、足の黒い色素がはがれにくくなります。
値段
大衆店
- 築地すし鮮「とり貝」おこのみ1貫(税込)378円2026-09-29 時点
- 梅丘寿司の美登利「とり貝」(税込。貫数の記載なし。一部店舗は価格が異なる場合あり)220円2026-09-29 時点
- 築地すしくろ 銀座インズ店「とり貝」お好み1貫(税込)440円2026-09-29 時点
『江戸前の旬』では
読者の感想によれば、59巻に舞鶴産の丹後トリガイ、64巻には、その大きな丹後トリガイを炙ってポン酢で食べる場面が出てきます。
土地の呼び名
| 呼び名 | 土地 | 種類・メモ |
|---|---|---|
| トリッケ | 東京都葛西 | |
| トンボ | 千葉県船橋 | 小振りのトリガイを開かずにゆでたもの。 |
| カワトリガイ(皮鳥貝) | 大阪 | むき身ではない殻付きの活け。関西では活けの貝を「皮」という。 |
次に読みたくなる
トリガイとつながるタネ
同じころに旬を迎えるタネ
このページの出典(8件)
- トリガイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- 丹後とり貝の紹介(京都府)2026-09-25 閲覧
- 三河湾産鳥貝/トリガイ|WEB寿司図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- おこのみ一貫|築地すし鮮(すし鮮)2026-09-29 閲覧
- グランドメニュー|梅丘寿司の美登利(梅丘寿司の美登利)2026-09-29 閲覧
- 築地すしくろ 銀座インズ店(お品書き)|築地玉寿司グループ(株式会社玉寿司)2026-09-29 閲覧
- 江戸前の旬 59巻の感想(シーナ@食べ物漫画好き)|読書メーター(読書メーター(シーナ@食べ物漫画好き))2026-10-11 閲覧
- 江戸前の旬 64巻の感想(シーナ@食べ物漫画好き)|読書メーター(読書メーター(シーナ@食べ物漫画好き))2026-10-11 閲覧