山形県
月山を真ん中に、蔵王、鳥海、吾妻の山が連なる県。山に囲まれた米沢では、塩引きザケで紅白の押し寿司を作り、日本海に面した庄内浜では、1年に130種類を超える海の幸がとれます。
紅白の塩引きずし
「塩引きずし」は米沢市生まれの押し寿司です。山に囲まれた盆地の米沢では、運ぶ手段が乏しかったころ、新しい海の魚はめったに食べられず、魚といえばコイなどの川魚か、棒ダラ、身欠きニシン、塩引きザケなどの加工品でした。米沢で「塩引き」といえば、サケの塩漬けのこと。その赤とシャリの白が紅白になるので、結婚式などの祝いの席に出されてきました。サケ
塩引きザケは塩辛いので、2mmほどに薄く切ってシャリと木枠に入れ、押して仕上げます。塩が効いているから、醤油はつけずにそのまま。昭和の初めごろは、新巻鮭と、色のきれいな本紅鮭を寿司に使いました。昔は一個ずつ押す木枠を使いましたが、その木枠は地元でもほとんど残っていません。サケ
鷹山公の鯉
置賜では、古くからコイを食べてきました。もとは川で釣ったコイでしたが、藩政のころから養殖が盛んになります。きっかけは米沢藩主の上杉鷹山。動物性のたんぱく質に乏しい藩を案じて、福島からコイの稚魚を取り寄せ、藩として養殖をすすめた。家臣たちは屋敷の庭先に池を作ってコイを育てていました。甘辛く煮こんだ「鯉のうま煮」は、大みそかの夜のごちそうです。
庄内浜の130種
山形県での呼び名
| 呼び名 | 一般には | 出典での土地の書き方 |
|---|---|---|
| メジ(メジマグロ) | クロマグロ(本マグロ)小型 | 千葉・東京・神奈川、山形県鶴岡市、富山県高岡市 |
| アカガシラ | マガレイ(真鰈) | 青森県弘前、山形県庄内 |
| ノドグロ/ノドクロ(喉黒) | ノドグロ一般にもこちらの名のほうが通りがいい | 山形県鶴岡市、新潟県上越・村上、京都府丹後地方、兵庫県香美町、島根県全域など日本海沿岸 |
| イソダコ | マダコ | 山形県庄内地方 |
| ホダデ | ホタテ | 青森県八戸地方・山形県 |
| ハモ・ハム | 穴子釣り上げると噛みつくので「食む」からとも。 | 青森県・宮城県石巻・福島県いわき市・山形県鶴岡市など |
山形県の食べ方・名産
- 春子(かすご)山形山形県遊佐町の道の駅には、底引き網に入る小ぶりのチダイやマダイを、骨まで軟らかくなるほど甘辛く煮た佃煮が並びます。
- 白子山形山形県庄内の「どんがら汁」は、寒ダラを頭から尾まで丸ごと使う漁師のあら汁。身を骨ごとぶつ切りにし、内臓も全部鍋へ。味の決め手が肝と白子です。本来はねぎを入れず、岩のりだけをのせます。
- とびこ山形山形県酒田の飛島には、ホソトビウオやツクシトビウオの卵巣を煮つけた「とびうおのちんちん煮」が伝わります。
- お新香巻山形沢庵漬けの名の由来は、じつはよく分かっていません。沢庵和尚が始めたからとも、「貯え漬け(たくわえづけ)」がなまったとも言われ、辞書は「未詳」とする。和尚の墓石が漬物の重し石に似ていたから、という説まであります。沢庵和尚は江戸初期の臨済宗の禅僧、沢庵宗彭。寛永6年(1629)の紫衣事件で出羽の上山へ流された人で、上山の春雨庵の境内には「沢庵漬名称発祥の地碑」が立っています。
このページの出典(15件)
- 東北地方 山形県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-30 閲覧
- 塩引きずし 山形県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-30 閲覧
- クロマグロ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マガレイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- アカムツ(ノドグロ)|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マダコ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ホタテガイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マアナゴ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- チダイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- どんがら汁/寒鱈汁 山形県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-25 閲覧
- ホソトビウオ(アゴ)|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- 沢庵漬とは|コトバンク(小学館『デジタル大辞泉』)(コトバンク)2026-10-09 閲覧
- たくあん漬とは|コトバンク(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』)(コトバンク)2026-10-09 閲覧
- 沢庵宗彭とは|コトバンク(小学館『デジタル大辞泉』、山川出版社『日本史小辞典』ほか)(コトバンク)2026-10-09 閲覧
- 沢庵漬け|Wikipedia(Wikipedia)2026-09-25 閲覧