寿司のデータベース

品書き / エビ・カニ

カニ蟹

かに/Crab

寿司のカニは、ズワイガニ、タラバガニ、毛ガニの三本柱。松葉ガニも越前ガニも加能ガニも、じつは全部ズワイガニの雄の地域ブランドで、雌のほうは石川県で香箱ガニと呼ばれます。そして「カニの王様」タラバガニは、分類上はカニですらない。ヤドカリの仲間です。

ズワイガニ(かにっこ館の飼育個体)
ズワイガニ(かにっこ館の飼育個体)写真: Totti(CC BY-SA 4.0)
せいこかに(ズワイガニの雌)の足、身、外子、ミソを使った寿司
せいこかに(ズワイガニの雌)の足、身、外子、ミソを使った寿司写真: くろふね(CC BY 4.0)

旬

ズワイガニ
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タラバガニ
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毛ガニ(ケガニ)
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旬 出回る時期

種類

ズワイガニ

別名 松葉ガニ、越前ガニ、加能ガニ、香箱ガニ、せいこがに

国内外でとれる、高級ガニの代表。雄は雌とは別のカニかと思うほど大きくなります。日本海では冬の風物詩で、産地ごとに雄に地名入りのブランド名が付く。国内の漁獲は6,000トン前後、輸入はその10倍にのぼります。

旬は漁期の秋〜春。日本海の解禁は毎年11月初旬です。

タラバガニ

別名 タラバ

北海道以北からアラスカ湾まで、北洋に広く分布。味がよく、体も大きいので「カニの王様(キングクラブ)」と呼ばれます。ところが生物学的にはヤドカリの仲間。国産は少なく、ほとんどが輸入です。

脱皮したては水っぽい。身が詰まってうまくなるのは秋から冬。

毛ガニ(ケガニ)

別名 オオクリガニ

山陰・茨城県以北からアラスカ周辺まで分布し、水揚げは北海道が圧倒的。好まれるのは身よりミソで、身は小さくても甘みが強い。流通するのは、すべて雄です。

個体群がいくつかあるので、旬は1年中。

タラバガニは、ヤドカリの仲間

ゆでたタラバガニ
ゆでたタラバガニ写真: Tatters ✾(CC BY-SA 2.0)
タラバガニタラバガニは、分類上はカニ(短尾類)ではありません。ヤドカリ(異尾類)の仲間で、いわば「カニの形をしたヤドカリ」。雌の腹部は左右非対称で、腹肢は左側にしかない。このあたりが、ヤドカリとそっくり同じです。
タラバガニタラバガニの脚は8本に見えて、じつは10本あります。いちばん後ろの第5脚がごく小さく、甲羅の内側の鰓室に差し込まれていて、鰓の掃除係を務めている。
タラバガニよく似たアブラガニが、タラバガニとして売られていたこともあります。見分けるなら甲羅の真ん中のトゲを数えるのが簡単で、タラバは6つ、アブラガニは4つ。
タラバガニタラバガニには、ミソがほとんどありません。しかもヤドカリの仲間なので、カニミソは油分と水分が多く、ふつうは食べない。
タラバガニ「鱈場」とは、マダラが釣れるような深い海底のこと。マダラの延縄漁によくかかったので、タラバガニという名前になりました。
タラバガニカニ缶詰は、かつて日本の有力な輸出品でした。小林多喜二『蟹工船』に出てくるカニも、タラバガニです。

松葉も越前も加能も、同じカニ

ズワイガニ「松葉蟹」「越前蟹」「加能蟹」「間人蟹」「隠岐松葉蟹」。名前はいろいろでも、正体はすべてズワイガニの雄です。
ズワイガニ「ズワイ」の語源は二つあります。脚に比べて甲羅が小さいから「頭矮」。もう一つは、「ず」は頭のことで「カニの王様」を意味するという語源。
ズワイガニ日本海のズワイガニの甲羅に付いている黒い粒は、カニビルの卵です。カニに寄生しているわけではなく、泥の海底で卵を産みつける硬い場所として、甲羅を借りているだけのようです。ロシアやアラスカのものには付いていません。
ズワイガニ・大阪大阪・道頓堀の『かに道楽』の、あの大きなカニの看板。モデルはズワイガニです。

香箱ガニの内子と外子

ズワイガニ・石川石川県では、資源を守るため、香箱ガニ(ズワイガニの雌)の漁期を11月6日から12月29日までに限っています。
ゆでた越前がに(ズワイガニ)の雄と雌
ゆでた越前がに(ズワイガニ)の雄と雌写真: さかおり(CC BY-SA 4.0)
ズワイガニズワイガニの雌は7〜8cmほどで産卵すると、それ以上脱皮せず、もう大きくなりません。雄は脱皮を続け、加能ガニと呼ばれる大きさになるまで10年ほどかかります。
ズワイガニ香箱ガニの甲羅の中には、オレンジ色の未成熟卵「内子」とカニミソ。お腹には茶色い粒の卵「外子」。これを甲羅に詰めた「カニ面」は、金沢のおでん屋でおでん種になります。
ズワイガニ・石川香箱ガニは、ゆでて二杯酢で。これが定番です。

長万部駅の毛ガニ

ケガニ(函館朝市の生け簀)
ケガニ(函館朝市の生け簀)写真: Totti(CC BY-SA 4.0)
毛ガニ(ケガニ)・北海道長万部の毛ガニが名物になったのは、1945年末のこと。食料品統制下で売る物に困った函館本線長万部駅の立ち売り商が、噴火湾の毛ガニをゆでて売ったら、これが好評でした。
毛ガニ(ケガニ)毛ガニで好まれるのは、身よりもミソ(肝膵臓)。ゆでてもあまり赤くならないカニです。
毛ガニ(ケガニ)毛ガニは殻が柔らかく、身はズワイガニより小さいのに甘みが強い。流通する毛ガニは、すべて雄です。
毛ガニ(ケガニ)毛ガニに「握りにはならない」という声はあります。けれど実際に握った記録では、身は絹のような繊維で柔らかく、甘みも濃厚なみそも、しっかり味わえました。

握るか、蒸すか

タラバガニタラバガニはいまや年末の商材。生で冷凍したものを家で蒸すほうがうまい、というのがおおかたの評価です。それでも、ゆでて冷凍したものを握ってみたら、強い甘みが楽しめたという記録があります。
タラバガニタラバガニの内子(卵巣)は美味。ところが外子(抱いた卵)は、まずい。
ズワイガニズワイガニの身で大事なのは、甘みと、繊維を感じる食感。鍋にすれば、旨みのあるだしが出ます。肝膵臓(ミソ)を練った「かにみそ」も、加工品として出回っています。
タラバガニ冷凍タラバガニの戻し方は、2通り。生のまま冷凍したものは流水で急いで戻す。熱を通してあるものは、冷蔵庫で24時間ほどかけて、ゆっくり自然解凍します。

値段

回転寿司・街の寿司屋・高級店のおまかせを並べて比べる

回転寿司

  • くら寿司「たらばがに軍艦」1皿(一皿110円からの店)380円2026-09-25 時点
  • くら寿司「かにみそ」1皿(一皿110円からの店)160円2026-09-25 時点
  • くら寿司「かにみそ(一貫)」(一皿110円からの店)110円2026-09-25 時点
  • スシロー「大型生本ずわい蟹」1皿(巣本店、税込。店舗により価格が異なる)360円2026-09-29 時点

大衆店

  • 築地玉寿司 築地本店「かに身」お好み1貫(税込)660円2026-09-29 時点
  • 築地すし鮮「ずわい蟹」おこのみ1貫(税込)541円2026-09-29 時点
  • すしざんまい「ズワイガニ」1個(グランドメニュー、税込)547円2026-09-29 時点
  • 梅丘寿司の美登利「生ずわい蟹」(税込。貫数の記載なし。一部店舗は価格が異なる場合あり)440円2026-09-29 時点
  • 富山 蛇の目寿司「かに」にぎり1個(税込。その日の仕入れや季節で変わる)440円2026-09-30 時点

『江戸前の旬』では

第46話の題は「タラバガニ」です。

78巻ではエビやアカガイ、ハマグリと並んで「黄金ガニ」が握られます。122巻は冬の味覚の一つとして「カニ面寿司」、131巻はズワイガニの話を収めています。

土地の呼び名

呼び名土地種類・メモ
マツバガニ(松葉がに)島根県・鳥取県・兵庫県ズワイガニ
エチゼンガニ(越前がに)福井県ズワイガニ
加能ガニ石川県ズワイガニ。石川県産の雄。
香箱ガニ・甲箱ガニ石川県ズワイガニ。ズワイガニの雌。
間人蟹(たいざがに)京都府京丹後市丹後町間人ズワイガニ
ミズガニ(水蟹)兵庫県・鳥取県など日本海側ズワイガニ。最終脱皮後1年未満の殻が柔らかい雄。
カタガニ新潟県・兵庫県・鳥取県などズワイガニ。最終脱皮後1年以上たって殻が硬い雄。
タラバガニ秋田県由利本荘市・にかほ市ズワイガニ。ズワイガニをこう呼ぶ。
アンコ・クラッカ北海道釧路タラバガニ。未成体をアンコ、さらに小さいものをクラッカと呼ぶ。

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