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品書き / エビ・カニ

甘エビ甘海老

あまえび/Northern shrimp (Sweet shrimp)

生で食べるエビの代表で、標準和名はホッコクアカエビ。北海道から北陸、新潟まで、日本海の深い海から揚がります。ねっとりした甘さのもとはアミノ酸。市場に並ぶ大きな甘エビは、どれも雄から雌に変わったものです。

ホッコクアカエビ(鶴岡市立加茂水族館)
ホッコクアカエビ(鶴岡市立加茂水族館)写真: Totti(CC BY-SA 4.0)
甘エビの握り(はま寿司)
甘エビの握り(はま寿司)写真: Kyu3(CC BY-SA 4.0)

旬

旬の言い方は産地ごとに違います。北海道は5月がいちばん身入りがよく、石川は9〜12月、新潟は11〜2月、福井は5・6月と9〜1月。

旬 出回る時期

大きな甘エビは、すべて雌

甘エビ(ホッコクアカエビ)の一生は不思議です。雄として生まれ、4〜5年かけて雄として成熟し、交尾を終えると雌に性転換する。市場で見かける大きな甘エビは、すべて雌です。
甘エビは、性転換する前の小振りの雄がうまい、と推す人もいます。身の味なら、外子(卵)を抱いていないもののほうが上。

甘さの正体と、青い卵

甘さの秘密は、グリシンやアラニンといったアミノ酸。口に入れるとぷりっと弾け、とろけるように甘い。
子持ちの甘エビが腹に抱く卵は、青い。新潟ではヒスイ色の卵と呼び、卵をのせた握りも出します。卵は醤油漬けにもなる。

トンガラシ、南蛮、そして甘エビ

甘エビは、北海道ではトウガラシやナンバンエビと呼ばれていました。それが東京の市場で「トンガラシ」になり、やがていまの「アマエビ」に落ち着きます。
新潟新潟では昔から「南蛮エビ」。鮮やかな赤と細い形が、赤唐辛子(南蛮)に似ているからです。一年じゅう揚がりますが、いちばんうまいのは水温の下がる秋から冬。佐渡の両津港や新潟港などに揚がり、佐渡では海洋深層水を使って生きたまま出荷しています。
新潟深いところにすむので、甘エビが漁の対象になったのはそう古い話ではありません。1960年代に新潟県などから「ナンバンエビ」の名で入荷し、デパートの物産展などを通じて知られるようになりました。
甘エビの名が関東や全国に広まったのは1970年代。デパートの物産展、旅ブーム、それに冷蔵・輸送技術の発達が背中を押しました。

日本海の港から

水揚げ日本一は、北海道の日本海側。そこから石川、福井、新潟と、日本海に沿って甘エビの産地が並びます。
福井福井の甘エビは、水深200〜500mの砂泥地から底曳網で揚がります。県内の水揚げの7割以上は三国港。「ふくい甘えび」を名乗れるのは、中サイズ(約12g)以上で、獲ってからセリまで24時間以内、しかも5・6月か9〜1月に獲れたものだけです。

回転寿司の甘エビ

回転寿司で出回る甘エビの多くは冷凍の輸入品。北大西洋でとれる近縁種ホンホッコクアカエビや、ロシアなどから来たものです。
冷凍の甘エビは、解凍の仕方が悪いと苦みが出ます。冷凍ものにも良し悪しがあって、解凍が上手ならちゃんとうまい。

頭は、みそ汁に

甘エビは生で食べるのが基本ですが、丸ごとみそ汁にすれば、いいだしが出ます。揚げると身は細るものの、甘みが増す。

生で食べるエビの仲間

生で握るエビは、甘エビのほかにもぼたんえび、白エビ。どれも、標準和名と寿司屋での呼び名が食い違っています。

値段

回転寿司・街の寿司屋・高級店のおまかせを並べて比べる

回転寿司

  • スシロー「甘えび」1皿(巣本店、税込。店舗により価格が異なる)140円2026-09-29 時点
  • はま寿司「甘えび」1皿(税込)132円2026-09-29 時点

大衆店

  • 築地玉寿司 築地本店「甘えび」お好み1貫(税込)550円2026-09-29 時点
  • 築地すし鮮「甘海老」おこのみ1貫(税込)315円2026-09-29 時点
  • すしざんまい「甘海老」1個(グランドメニュー、税込)437円2026-09-29 時点
  • 富山 蛇の目寿司「甘海老」にぎり1個(税込。その日の仕入れや季節で変わる)330円2026-09-30 時点

『江戸前の旬』では

30巻の紹介文によると、旬の父・鱒之介は、甘エビやサケを絶対に握らない昔気質の職人。その父が、なぜかウニだけは握る。旬の疑問から、話が始まります。

88巻には、「アマエビ」と題した話があります。

土地の呼び名

呼び名土地種類・メモ
ナンバンエビ(南蛮えび)新潟県新潟では唐辛子を南蛮といい、赤く細い姿が似ていることから。
トンエビ(屯えび)北海道・新潟県・富山県大量にとれることから。
コショウエビ(胡椒蝦)新潟県能生町
アカエビ(赤えび)兵庫県但馬地方・山口県宇部市
アカエビ福井県体の色が赤いことから。

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