ヒラメ鮃
ひらめ/Olive flounder (Bastard halibut)
ヒラメ・カレイの仲間で、いちばん高値が付く白身の高級魚。身はあっさりと上品です。目は体の左側にあって、「左ヒラメに右カレイ」で見分けます。背鰭と尻鰭の付け根の身は「縁側(えんがわ)」。身より脂ののりが強く、これがまた珍重される部位です。


旬
ヒラメ
「寒平目」の名のとおり、旬は冬。50cm前後より大きいものは、本州以南なら秋から冬、北海道なら秋から初夏までがうまい。50cm以下は、一年中あまり味が変わりません。
旬 出回る時期
左ヒラメに、右向きが一匹

茨城2023年11月3日、茨城県鹿嶋市の沖合で、なんと右向きのヒラメが釣り上げられました。アクアワールド・大洗で展示されることになった一匹です。
ヒラメの身が、ゼリー状に溶けたようになっていることがあります。体内に寄生した胞子虫が酵素を出して、筋肉を消化してしまうのです。
寒平目と、夏の「クソ平目」
「寒平目」の言葉どおり、ヒラメの旬は真冬。夏が旬のカレイとは正反対です。寿司屋では夏になると、鯛がカレイやスズキに入れ替わります。
産卵後の夏場は、「クソ平目」とまで呼ばれます。実際は、冬と比べて見劣りする程度。夏でもうまい魚の代表格です。
関東晩春から初夏、大型のヒラメはがくんと安くなります。この時期に好まれるのは、小ぶりの活魚「そげ」。
五枚におろす
ヒラメやカレイは「五枚おろし」にします。背と腹の鱗を包丁ですいて内臓を出し、鰭の付け根に沿って包丁を入れる。縁側はこのとき、身とは別に取れます。
江戸では、大きいのがヒラメ
江戸時代の『物類称呼』を開くと、呼び名はばらばら。畿内・四国ではヒラメもカレイも「かれい」、江戸では大きいものを「ひらめ」、小さいものを「かれい」と呼んだ。常陸・上総・下総では逆で、大きいものが鰈、小さいものが平目。
「ヒラメ」は、もともと魚河岸など、東京近郊の言葉でした。多くの地域では「大がれい」「大口ガレイ」など、「かれい」と呼ぶほうが多かったのです。
「ひら」は平たい、「め」は魚に付く接尾語。つまり、体の平たい魚という名前です。
谷崎潤一郎の『幼少時代』に、比目魚・鰈・鰺などは皆煮つけで食べたが、煮肴は嫌いだった、というくだりがあります。
北前船の昆布で締める

家で白身魚の昆布締めを作る手順を、鯛の場合で紹介します。さくに薄く塩をして10分置き、あぶって切った昆布で挟み、ラップできつく包んで、冷蔵庫で半日〜1日。昆布は真昆布か利尻昆布がよく、日高昆布は昆布臭くなるので避けます。富山では、ヒラメも昆布〆の定番の1つ。
厚生労働省は、アニサキスが寄生する魚介類の例にヒラメも挙げています。生で食べるなら頭に入れておきたい。
大分の養殖、青森の県の魚
値段
大衆店
- 築地すし鮮「ひらめ」おこのみ1貫(税込)442円2026-09-29 時点
- 梅丘寿司の美登利「ひらめ(季節商品)」(税込。貫数の記載なし。一部店舗は価格が異なる場合あり)385円2026-09-29 時点
- 富山 蛇の目寿司「平目」にぎり1個(税込。その日の仕入れや季節で変わる)330円2026-09-30 時点
市場
- ヒラメの市場での値の付き方(東京など)天然の活魚がいちばん高く、養殖はやや高値安定、野締めは安い。晩春〜初夏の大型は非常に安い(金額の記載なし)
『江戸前の旬』では
38巻では、産卵して味が落ちる「三月ヒラメ」の蘊蓄を語る客に、鹿野課長が、四月までならおいしいと口を出して言い合いになります。旬は課長を助けるために、青森産のヒラメを手に入れる。95巻には「ヒラメ信仰」と題した話があります。連載の初めのころには、第13話「ヒラメとカレイ」、第27話「ソゲ」。ソゲは、関東で若いヒラメを呼ぶ名前です。
土地の呼び名
| 呼び名 | 土地 | 種類・メモ |
|---|---|---|
| ソゲ→オオソゲ→ヒラメ | 関東(千葉県、東京都、神奈川県) | 1kg以下をソゲ、2kgくらいまでを大ソゲ、それ以上をヒラメ |
| テックイ | 北海道 | |
| カレ | 関西・四国・九州、大阪、和歌山県南部 | |
| オオグチガレイ(大口鰈) | 東北・関西、和歌山県串本、兵庫県明石市、広島県、徳島県、愛媛県宇和島、福岡県志賀島 | |
| ハス | 静岡県浜名湖、愛知県 | 愛知県では大型 |
| ヒダリグチ | 山口県周防、有明海 | |
| ホンガレイ | 和歌山県田辺、徳島県 | |
| メビキ | 富山県富山・打出 | |
| カタヒラウオ | 鹿児島県種子島 |
次に読みたくなる
ヒラメとつながるタネ
同じころに旬を迎えるタネ
出てきた寿司ことば
このページの出典(15件)
- ヒラメ|Wikipedia(Wikipedia)2026-09-25 閲覧
- ヒラメ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ヒラメ|いばらきの農林水産物|茨城をたべよう 食と農のポータルサイト(茨城県営業戦略部販売戦略課)2026-09-29 閲覧
- 夏の「㐂寿司」。星かれいは白身の王様。(2019年6月30日)(dancyu)2026-09-25 閲覧
- ひときわ可憐な「㐂寿司」の小鯛。(2019年4月30日)(dancyu)2026-09-25 閲覧
- 昆布〆 富山県|うちの郷土料理(農林水産省)2026-09-25 閲覧
- 鯛の昆布締めのレシピ/作り方(白ごはん.com)2026-09-25 閲覧
- アニサキスによる食中毒を予防しましょう(厚生労働省)2026-09-25 閲覧
- おこのみ一貫|築地すし鮮(すし鮮)2026-09-29 閲覧
- グランドメニュー|梅丘寿司の美登利(梅丘寿司の美登利)2026-09-29 閲覧
- 寿司・一品料理|蛇の目寿司(富山市奥田)(蛇の目寿司)2026-09-30 閲覧
- 江戸前の旬 38巻(作品紹介)|コミックシーモア(コミックシーモア(NTTソルマーレ))2026-10-11 閲覧
- 13話:ヒラメとカレイ【江戸前の旬】|ラブすぽ(ラブすぽ(日本文芸社))2026-10-11 閲覧
- 27話:ソゲ【江戸前の旬】|ラブすぽ(ラブすぽ(日本文芸社))2026-10-11 閲覧
- 江戸前の旬 95巻(出版社内容情報・収録話)|紀伊國屋書店(紀伊國屋書店)2026-10-11 閲覧