静岡県
駿河湾の静岡は、国内で水揚げされるサクラエビのほぼすべてがとれる県。遠洋カツオとミナミマグロの焼津があり、静岡市は自分たちの前浜を、江戸前にならって「しずまえ」と名づけました。

サクラエビは駿河湾だけ
サクラエビは相模湾や東京湾、台湾の近くにもいますが、日本で漁の許可が出ているのは静岡県だけ。許可を持つ船は由比・蒲原・大井川の地区に2隻1組でおよそ60組しかなく、国内の水揚げのほぼ100%が駿河湾でとれたものです。水揚げは大井川港と由比港だけで行われます。
体長4.5cmほどの小さなエビで、昼は水深200〜350mの深いところにいて、夕方から夜にかけて水深20〜60mまで浮かんできます。漁はそこを狙って夜に行い、2隻で1つの網を引く2そう船曳き網。春漁は3月中旬から6月上旬、秋漁は10月下旬から12月下旬で、産卵の盛りにあたる6月11日から9月30日までは、県の規則でとることが禁じられています。
漁の翌日には、富士川の河川敷に、干したサクラエビの桜色のじゅうたんが広がります。
獲りすぎない漁
サクラエビは年によってとれる量の差が大きく、とりすぎを防ぐ工夫が欠かせません。許可を受けた船は、水揚げの金額をみんなで均等に分ける「プール制」をとり、先を争ってとる競争をなくしています。1978年の不漁をきっかけに、由比と大井川の地区をまとめた総プール制になりました。
漁師たち自身が、県の研究所の指導を受けて卵の量や小さなエビの出方、水温を調べ、保護区やとる量を決めています。成熟したサクラエビは頭が黒くなるので、漁期の途中でも「頭黒」が見えたら漁をやめる。2018年の秋漁は、自分たちで決めた条件を満たす群れがいなかったため、漁そのものを取りやめました。
しずまえ
「しずまえ」は、静岡市の前浜、駿河区石部から清水区蒲原までの海のこと。静岡市は、用宗漁港、清水港、由比漁港の3つの港で水揚げされる魚介を「しずまえ鮮魚」と呼んでいます。サクラエビやしらすのほか、アワビやサザエまで含めて、その種類は数百種ともいわれます。
静岡県での呼び名
| 呼び名 | 一般には | 出典での土地の書き方 |
|---|---|---|
| ダルマ/ダルマシビ | メバチ(メバチマグロ)全長1m以下の若魚 | 東京、埼玉、千葉、群馬、静岡、三重、和歌山県太地 |
| オキツダイ(興津鯛) | アカアマダイ | 静岡県駿河湾 |
| アマデェ | アカアマダイ | 静岡県網代 |
| ハス | ヒラメ愛知県では大型 | 静岡県浜名湖、愛知県 |
| ゴッソリ | イサキ秋に定置網に大量に入る幼魚。一度に入りすぎて困る、の意味も | 神奈川県小田原市・真鶴町、静岡県伊東市 |
| イラッコ | イサキ小型。大きくなるとコシタメ | 静岡県伊豆土肥 |
| コシタメ | イサキ大型 | 静岡県松崎・戸田・静浦 |
| アワモチ | カワハギ | 静岡県西伊豆、神奈川県小田原市・二宮町 |
| ギュウギュウ | シマアジ釣り上げると、ぎゅうぎゅうと鳴くからか | 静岡 |
| シマイオ(縞魚) | シマアジ幼魚 | 静岡県浜名湖 |
| セイゴ→マタカア→オオマタ→コチウ→チウイオ→オオチウ→オオモノ | スズキ | 静岡県浜名湖 |
| ホンダイ(本鯛) | マダイ(真鯛)チダイ、キダイと区別するため | 新潟県佐渡、静岡県牧之原市、和歌山、大阪市場、兵庫県神戸・明石、広島 |
| シラガ | 太刀魚静岡県では幼魚 | 神奈川県小田原、新潟県、静岡県 |
| バショウイカ | アオリイカ形がバショウの葉に似ているため。 | 静岡県沼津市 |
| アカアンコウ | あん肝 | 静岡県土肥 |
| メジロ(目白) | 穴子 | 静岡県浜名湖・愛知県三河湾周辺・名古屋 |
静岡県の食べ方・名産
- カツオ静岡静岡県焼津市の「かつお飯」は、甘辛く煮たなまり節を、炊きたてのご飯に混ぜたもの。
- マグロ静岡マグロの赤身を「ヅケ」と呼ぶことがあるのは、古くは赤身こそがうまいもので、保存のために醤油に漬けたから。静岡県では、これを「べっこう」と呼びます。
- 甘鯛静岡駿河では「興津鯛(おきつだい)」。静岡の興津の名産だから、という説と、おきつという奥女中が徳川家康に献上して喜ばれたから、という話が残っています。
- 甘鯛静岡明治43年、伊豆の大仁の旅館で、夏目漱石は甘鯛の頭付きで粥を二椀食べた、と日記に書いています。
- カワハギ静岡静岡市の三保半島では、東海大学海洋学部の研究をもとに、くみ上げた地下海水を使って、1年中肝の大きいカワハギを陸上で養殖しています。
- カワハギ静岡伊豆半島の伊東あたりでは「肝たたき」が普通に作られます。身を細かめに切って、湯通しした肝と和えたもの。わさびとしょうゆで食べると非常にうまい。
- キンメダイ静岡伊豆は深海の好漁場が近く、日の出とともに漁に出て、その日のうちに帰れます。稲取の宴席の主役は「金目鯛の腹合わせ」。2尾を丸ごと甘辛く煮つけ、腹と腹を合わせて盛る。「腹を割って付き合おう」という意味で、祝い事に欠かせない料理です。
- アジ静岡アジの開き干しは、東日本なら腹開き、西日本なら背開きが多い。生産量日本一は静岡県沼津市で、使うのは主に山陰から九州のマアジです。
- 生しらす静岡しらすを生で食べる土地は、もともと多くありませんでした。古くから食べていたのが静岡県と高知県。いまは流通が発達して全国に広まりつつあります。漁獲量でも静岡県がいちばんで、兵庫県、愛知県と続きます。
- 生しらす静岡静岡市の用宗、清水、由比の沖で、しらすは安倍川、興津川、富士川の河口に集まります。昼間に群れでえさを食べているところを、船で網を引いてとる「船びき網」。用宗では2そう、清水と由比では1そうで引きます。
静岡県の寿司ばなし
このページの出典(24件)
- 駿河湾さくらえび|静岡県|全国のプライドフィッシュ(全国漁業協同組合連合会(プライドフィッシュ))2026-09-30 閲覧
- 「しずまえ」って??|静岡市公式ホームページ(静岡市)2026-09-30 閲覧
- 主な漁業と漁期 サクラエビ(静岡県水産・海洋技術研究所)(静岡県水産・海洋技術研究所)2026-09-30 閲覧
- メバチマグロ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- アカアマダイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- ヒラメ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- イサキ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- カワハギ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- シマアジ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- スズキ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マダイ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- タチウオ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- アオリイカ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- キアンコウ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- マアナゴ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- カツオ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- クロマグロ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- 三保地下海水 陸上養殖「カワハギ」|開発品紹介(新産業開発振興機構)2026-10-09 閲覧
- カワハギ - Wikipedia(Wikipedia)2026-09-25 閲覧
- 伊豆の地きんめ|静岡県|全国のプライドフィッシュ(全国漁業協同組合連合会)2026-09-29 閲覧
- マアジ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- カタクチイワシ|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- 生しらす軍艦巻き|WEB寿司図鑑(ぼうずコンニャク)2026-09-25 閲覧
- しずまえ鮮魚の代表格「しらす」と「桜えび」|静岡市(静岡市)2026-09-25 閲覧