寿司のデータベース

品書き / 土地から探す / 福岡県

福岡県

福岡は、三つの海に囲まれた県です。玄界灘の天然マダイは漁獲量全国1位、ヤリイカは「一本槍」、有明海では寿司の海苔が育つ。久留米には、秋祭りのかます寿司があります。

三つの海と長浜の市場

福岡県は、性格の違う三つの海に囲まれています。日本海側の筑前海(玄界灘)、瀬戸内海側の豊前海、そして干潟の広がる有明海。筑前海は対馬暖流の恵みを大きく受ける海で、岩場ではアワビ、サザエ、ウニ。沖の天然礁にはアジ、サバ、マダイ、ケンサキイカが集まります。アワビウニアジサバ
長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場)
長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場)写真: STA3816(CC BY-SA 4.0)
その魚が集まるのが、福岡市の長浜鮮魚市場です。昭和30年(1955年)の開場。博多漁港を抱えた、全国でも指折りの産地市場で、同時に西日本有数の消費地市場でもある。両方の顔を持つ市場は、全国的にも珍しい。玄界灘、日本海、東シナ海から魚が集まり、扱う魚は年間約300種類にのぼります。一般の人は買えませんが、見学者用の通路は24時間開放されています。

玄界灘の天然マダイと一本槍

福岡の自慢は、天然のマダイです。いま日本に出回るマダイは8割が養殖で、天然は2割ほど。その天然マダイの漁獲量で、福岡県は全国1位(平成26年の統計)。筑前海の鯛は、平安時代の『延喜式』(927年)にもすでに産地として名が挙がっていて、江戸時代には藩への献上品でした。1737年に鯛網(吾智網)の漁が始まると、漁獲がぐんと伸びます。いま「筑前海の天然マダイ」と呼ぶのは、吾智網か釣りでとった1kg以上のもの。タイ
イカは「一本槍」。筑前海で釣り上げた胴長15cm以上のヤリイカの呼び名で、福岡の町を築いた黒田官兵衛ゆかりの天下三名槍「日本号」にちなんで名付けられました。店で「一本槍」を出していれば、活きたイカを刺身にしている証でもある。中身は3種類あって、一年中とれるケンサキイカ、秋から冬のブドウイカ、1〜2月のササイカ(ヤリイカ)。福岡やその近くでは、ケンサキイカのことをヤリイカと呼びます。イカ
筑前海でとれる旬のウマヅラハギは「メンボ」。5月から6月のものは、産卵に向けて真子と肝がたっぷり詰まっています。肝を醤油に溶いた肝醤油で刺身を食べるのが、いちばんの食べ方です。カワハギ
玄界灘に面した宗像の鐘崎は、天然トラフグの水揚げで国内有数の港です。ここの正月に欠かせないのが「のうさば」。フグと一緒に網にかかる小型のサメ、ホシザメを天日で干し、調味液に漬けたもの。むかし正月の数の子が手に入らなかったとき、数の子用の漬け汁に代わりに漬けたので、「鐘崎数の子」「玄海数の子」とも呼ばれます。冬になると、海沿いのあちこちでホシザメが干されている。数の子

有明海は海苔の海

柳川の有明海に並ぶ海苔の支柱
柳川の有明海に並ぶ海苔の支柱写真: Peka(CC BY-SA 4.0)
寿司を巻く海苔も、福岡の海の産物です。有明海に面した大川、柳川、みやま、大牟田の4市で、約540軒の生産者が年間約11億枚、約150億円を揚げる、全国3位の産地。筑後川と矢部川が栄養を運び込み、干満の差は最大6mにもなる。福岡の有明海では、海に立てた支柱に網を張る「支柱式」で育てます。満ち潮で海に浸かって栄養を吸い、引き潮で空気にさらされて乾く。これを繰り返すから、やわらかくて甘みのある海苔になります。太巻き
海苔の季節は11月から3月で、主に二期作。11月と1月に摘む「一番摘み」は、香りが高く、口どけがよく、うまみと甘みが舌に広がる。全体の生産量の1割ほどしかとれないので、贈り物に使われることが多い海苔です。
有明海は、平均水深20mほどと浅く、海底は泥で、日本最大の干潟を抱えた海です。ここではシタビラメを「くつぞこ」と呼ぶ。平たく細長い姿が靴底に見えるから。皮の黒い「クロシタ」と赤っぽい「アカシタ」があって、身が締まって値が高いのはクロシタのほうです。
瀬戸内海側の豊前海は、干満の差が大きく、干潟が広がる内海です。ここで網にかかる小さなエビをまとめて呼ぶのが「ざっこ」。アカエビ、サルエビ、トラエビなど、特定の種類ではなく雑多な小エビの総称です。頭付きのまま薄い甘醤油でさっと煮る「えびざっこ」は漁師のごちそうで、とれたてなら刺身でも食べます。エビ

久留米の秋祭りは、かます寿司

久留米には、秋祭りの寿司「かます寿司」があります。筑後一の宮、高良大社の高良山くんちでは、参道の両側にかます寿司と栗入り赤飯を売る露店が並んだ。収穫祭で新米をわらの袋「叺(かます)」に詰めて奉納したことと、ちょうど脂ののる魚のカマスとの語呂から、秋祭りにかます寿司を作るようになったと伝わります。作り方は、カマスに塩をして2〜3時間締め、水で洗って甘酢に漬け、腹にシャリを詰めてラップで巻き、1時間ほどおく。

福岡県での呼び名

呼び名一般には出典での土地の書き方
オオグチガレイ(大口鰈)ヒラメ東北・関西、和歌山県串本、兵庫県明石市、広島県、徳島県、愛媛県宇和島、福岡県志賀島
ネリゴカンパチ若魚長崎県平戸市度島、福岡市
カワムキカワハギ福岡県
カマチサワラ福岡県玄海
ヒラアジシマアジ大型で平たいアジ類の混称福岡県、熊本県
チコチダイ(花鯛)島根県全域、高知、福岡県玄海・戸畑
シバチコチダイ(花鯛)幼魚福岡県北九州市戸畑
サザサンマ長崎県大村・五島・壱岐・対馬、福岡県宗像市・志賀島
タチノウオ太刀魚東京、福岡県大川市、有明海
ミズイカ(水烏賊)アオリイカ透明感のある色合いから。島根県・福岡県・長崎県・宮崎県・鹿児島県
キヌガイ(絹貝)青柳福岡県北九州市小倉、豊前海、大分県中津市

福岡県の食べ方・名産

このページの出典(23件)